MENU

【連載「頭痛の秘密がここまで解き明かされてきた」第15回】

ホワイトデーには何をお返しに贈る? 「甘いお菓子」で頭痛になる人の原因は何?

アルコールによる頭痛の原因とは?

 最後に、食品で最も注意が必要なものはアルコールです。

 アルコールによる頭痛は、摂取後、3時間以内に発現し72時間以内に消失するものを「即時型アルコール誘発頭痛」、5〜12時間以内に発現し72時間以内に消失するものを「遅発型アルコール誘発頭痛」と定義されています。

 一般的に片頭痛は、血管拡張を来す環境下で誘発しやすく、頭痛は血中アルコール濃度が低下ないし消失してから出現することが多いとされています。

 春は歓送迎会の季節ですが、そういう意味でも酒類の摂取には注意が必要で、決して人に無理矢理すすめてはいけません。

 もし、あなたの周囲で、頭痛持ちの方がいたら、食品によって頭痛を来すことがないかどうか、ぜひ聞いてみてください。そこで、頭痛を誘発する食品があった場合には、できるだけ誘発食品を避けることを教えてあげてください。きっとあなたの好感度はup間違いなしです。
(文=西郷和真)

●参考文献
1)Curr Neurol Neurosci Rep. 2016 Nov;16(11):101.
Headaches: a Review of the Role of Dietary Factors.
Zaeem Z, Zhou L, Dilli E.
2) Arq Neuropsiquiatr. 2008 Sep;66(3A):494-9. Trigger factors in migraine patients.
Fukui PT, Gonçalves TR, Strabelli CG, Lucchino NM, Matos FC, Santos JP, Zukerman E, Zukerman-Guendler V, Mercante JP, Masruha MR, Vieira DS, Peres MF.
3)間中信也 : 頭痛大学教養学部「頭痛の原因となる食品」. 先端医学社 2006 pp92

連載「頭痛の秘密がここまで解き明かされてきた」バックナンバー

西郷和真(さいごう・かずまさ)

近畿大学病院遺伝子診療部・脳神経内科 臨床教授、近畿大学総合理工学研究科遺伝カウンセラー養成課程 教授。1992年近畿大学医学部卒業。近畿大学病院、国立呉病院(現国立呉医療センター)、国立精神神経センター神経研究所、米国ユタ大学博士研究員(臨床遺伝学を研究)、ハワードヒューズ医学財団リサーチアソシエイトなどを経て、2003年より近畿大学神経内科学講師および大学院総合理工学研究科講師(兼任)。2015年より現職。東日本大震災後には、東北大学地域支援部門・非常勤講師として公立南三陸診療所での震災支援勤務も経験、
2023年より現職。日本認知症学会(専門医、指導医)、日本人類遺伝学会(臨床遺伝専門医、指導医)、日本神経学会(神経内科専門医、指導医)、日本頭痛学会(頭痛専門医、指導医、評議員)、日本抗加齢学会(抗加齢専門医)など幅広く活躍する。

西郷和真の記事一覧

西郷和真

関連記事
アクセスランキング
専門家一覧
Doctors marche