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【シリーズ「DNA鑑定秘話」47回】

ロンブー田村、ココリコ田中も苦労体験の生態調査 魚類の生物種や絶滅危惧種には「環境DNA分析法」がある

魚種や生息数の判定だけでなく、絶滅危惧種の生態調査にも役立つ

 環境DNA分析法なら、魚種や生息数の判定だけでなく、絶滅危惧種の生態調査にも役立つ。

 たとえば、ワシントン条約で輸出入が禁止されている絶滅危惧種のヨーロッパウナギの取引現場の排水を調べれば、違法取引を摘発できる。新種の魚種の発見をはじめ、公共事業の環境影響評価、海洋保護地区を設定する基本情報の提供などのほか、海水浴シーズンならクラゲの大量発生も予測できる。

 また、諏訪湖のワカサギが酸欠のために大量死した事件があったが、絶滅の危機に瀕していると報じられた。環境省レッドリストで絶滅危惧種に指定されているオオサンショウウオの環境DNA分析も進んでいる。環境DNA分析法を使えば、このような貴重な生物資源の保護に乗り出せる可能性が高い。
(文=佐藤博)


佐藤博(さとう・ひろし)
大阪生まれ・育ちのジャーナリスト、プランナー、コピーライター、ルポライター、コラムニスト、翻訳者。同志社大学法学部法律学科卒業後、広告エージェンシー、広告企画プロダクションに勤務。1983年にダジュール・コーポレーションを設立。マーケティング・広告・出版・編集・広報に軸足をおき、起業家、経営者、各界の著名人、市井の市民をインタビューしながら、全国で取材活動中。医療従事者、セラピストなどの取材、エビデンスに基づいたデータ・学術論文の調査・研究・翻訳にも積極的に携わっている。

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