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火星旅行の「宇宙放射線」で「認知症」に!? 脳の「恐怖記憶」の低下も明らかに

脳の「恐怖記憶消去」のレベルが低下も明らかに

 リモリ教授は、げっ歯類(マウスなど)を使った動物実験で、脳の「恐怖記憶消去」のレベルが低下したことも明らかになったという。恐怖記憶消去の機能が下がると、不安に陥りやすくなる。

 往復で約3年かかるとされる火星旅行では、大きなリスクになる可能性がある。旅行の途中で、宇宙飛行士の判断能力が喪失したら、その宇宙船は遭難してしまうだろう。

 これから火星への往復に関係する、さまざまな健康リスクが研究されていくはずだ。思いつくだけでも、宇宙線の人体への影響、密閉空間で人間が長期で生活することによる心理影響、ロケット構造物の耐久性など、課題は多い。さらに、火星に着陸して、その後、何をするのか? 何ができるのか? 興味は尽きない。

 現時点では、命知らずの人間だけが火星旅行を希望している――。さらに研究が進むことで、多くのリスクをなくす技術の目処がたったとき、国家プロジェクトとして、人類は火星を目指すのだろう。
(文=編集部)

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