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【シリーズ「AIと医療イノベーション」第8回】

人間がAI(人工知能)と恋に落ちる? アイドル産業やセックス産業にもAIが進出する?

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人間がAIと恋に落ちる日が?(shutterstock.com)

 アメリカ映画『her/世界でひとつの彼女』(2013年/スパイク・ジョーンズ監督・脚本)は、妻と離婚協議中のセオドア・トゥオンブリー(ホアキン・フェニックス)が、サマンサ(スカーレット・ヨハンソン)のAI(人工知能)による携帯端末のOSの声に恋するラブストーリ—だ。

 近い将来、AIが恋人になる日がやって来るのだろうか?

人間固有の知能・論理・感情を備えたAIを創造するのが難しい理由は?

 現在のAIは、AlphaGoや自動運転技術などのように、将棋を指したり、自動車を運転したり、クイズに答えたり、人間と会話したりする、特定の目的を遂行するために作られた特化型人工知能(Narrow AI)だ。人間の知能のほんの一部分に特化した機能しかない。

 一方、人間の知能を人工的に再現したAIを汎用人工知能(Artificial General Intelligence:AGI)と呼ぶ。まるで人間の知能や感情を持っているかのように賢く柔軟に振る舞う人間そっくりのヒューマノイドAIだ。

 もちろん、汎用人工知能はまだ実現していない。人間固有の知能・論理・感情を備えたAIを創造するのが難しい理由は、だだ1つ。人間の意識も脳の仕組みも、完全に解明されていないからにすぎない。

数年後には73億人の脳の容量に匹敵する汎用人工知能が出現

 東京大学大学院の上田泰己教授は、現時点では意識を解明するための情報が未確定であり、その情報を蓄積して処理できる高度なスパコンがないと説明する。

 産業技術総合研究所の一杉裕志主任研究員によると、脳に関する膨大な知見がありながらも、その知見を包括的に統合化できるノウハウもノウフウも不十分なので、脳の仕組みが解明されていない。

 だが、神経科学は急速に進歩しているため、大脳皮質のベイジアンネットワークモデルのような脳科学と機械学習を統合した知見もあると話す。ちなみに、ベイジアンネットワークモデルとは、過去の経験から未来に起こる可能性を確率で推測する確率推論モデルだ。

 もしも言語や分析的思考に優れたスパコンと、人間の脳を模して開発された感覚やパターン認識に優れた脳型AIチップを組み合わせることができれば、左脳と右脳を同時に働かせる汎用人工知能が実現するはずだ。

 そのような人間並みの汎用人工知能が誕生するのいつ頃だろう?

 スパコン(PEZY Computing)の開発者で医師の斉藤元章氏は、人間レベルの汎用人工知能が出現する到達点をプレ・シンギュラリティ(前特異点)と呼び、およそ5~10年で到達すると見る。前特異点では、世界73億人の脳の容量に匹敵する集積回路を搭載した汎用人工知能が出現する見込みがあるという。

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