木曜劇場『Chef~三ツ星の給食』(10月13日OAスタート)(写真はフジテレビの公式HPより)
迷走フジテレビが今秋改編のドラマ戦争に投入するのは「視聴率女王」と「三ツ星」、そして「給食」の3点セットだ。10月13日OA開始の主演・天海祐希の木曜劇場は、その名も『Chef~三ツ星の給食』。
その内容は、天海さん扮する三ツ星レストランの天才女性シェフが経営者とぶつかって店をクビになり、ある日、テレビの番組企画で「学校給食」にトライするも、栄養・経費・味覚面の違いから苦戦を強いられ……という話である。
「給食」モノがブーム?
それにしてもなぜ今、「給食」なのか? 実は最近「給食」の二文字を冠する話題は少なくない。
たとえば、現在公開中の映画『お父さんと伊藤さん』(タナダユキ:監督、ファントム・フィルム:配給)で上野樹里さんと20歳差カップルを演じるリリー・フランキーさんの役どころは、給食センターのバイトで生計をたてている通称「給食のおじさん」だ。
あるいは先日、新聞広告を見ていたら、目に飛び込んできた文庫の小説タイトルが『給食のおにいさん 浪人』(遠藤彩見 :著、幻冬舎文庫)だった。
そこで懐かしくもやや塩分高め、ある種のキナ臭さも覚える給食の話題をいくつか紹介しよう。
学校給食は食塩過多?
近頃、厚生労働省の研究班がまとめた調査(対象:全国12県の、2014年時点で小3・小5・中2の計910人)によれば、子どもの給食も「塩分高め」という実態が判明した。
調査は、学校で給食のある平日(2日間)と家庭での休日(3日間)の食事内容を栄養素ごとに分析し、同省の食事摂取基準を満たす割合などを検証したもの。
結果、1日あたりの食塩摂取量を見ると、平日・休日いずれも国の摂取基準を上回る子の割合が8~9割を占めていた。そのうち昼食由来の摂取量を見ても、学校給食と休日の家庭によるものに大差は認められなかったという(ビタミンやミネラルは休日のほうが不足気味)。
給食も塩分高めという背景には、子どもに残さず食べてもらう提供側の配慮から「濃い目な家庭の味」への歩み寄りがあるのではないか、と専門家筋は見ている。
しかし、子ども時代に決まる味覚や食習慣が、やがて成人後の生活習慣病発症に影響するのは周知の事実。号令のみの「食育」ではなく、まずは学校給食の減塩化こそを見直さないと灯台下暗しだろう。