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20代の半数以上が恋人よりも「休み」が欲しい! 疲れた若者たちへ「休養の日」を制定?

睡眠不足と疲労による経済的損失は3兆5000億円!?

 東海大学健康科学部の松木秀明特任教授は、この調査結果を受けて「国民生活時間調査(NHK放送文化研究所2015)によると、2015年は1960年よりも約1時間も平均睡眠時間が短くなっている」ことを指摘。日本人の睡眠時間の減少と関係があるのではとの見方を示している。

 睡眠不足は労働だけでなく余暇の多様化とも影響があるはずだが、それは個人的な問題ばかりではない。日本全体で睡眠不足からくる生産性の低下が3兆円、欠勤、遅刻、早退、睡眠不足に関連する交通事故やその他ヒューマンエラーの損失を合計すると3兆5000億円に上るという調査結果がある。

 この数字には医療費は含まれていないから、それもプラスするととんでもない数字になりそうだ。

 さらに、慢性疲労全体によって引き起こされる日本における経済損失を、文部科学省疲労研究班が算出したところ、年間約1.2兆円に及ぶことが判明。慢性的な疲労は、医学的な観点のみならず経済的損失という観点からも、大きな社会問題であることが明らかになってきている。

「休む=怠ける」という認識を社会全体で変える

 

 約50年前に比べ1時間も睡眠時間が減った日本人は、自ら生産性を下げ続けているかのようだ。特に気がかりなのが20代の疲れっぷりである。30〜40代の働き盛り世代よりも疲弊しているのだ。

 20代といえば、早く仕事を覚えなくてはならない時期で、経験不足が非効率な労働の原因となって疲弊を招いていることも想像できる。もちろん仕事だけでなく、20代は遊びたい盛りでもある。

 古い世代の中には「今の若者は……」という古代エジプト人から繰り返された古典的な世代論や根性論を持ち出す人もいるかもしれない。

 しかし、経験や知識はなくとも「体力」だけはどの世代の労働者より有り余っているはずの20代が疲弊しているというのは、社会環境や労働環境に何かしらの問題が潜んでいる可能性も考えられる。

 質の良い睡眠と休養は、明日のパフォーマンスを向上させるための大切な要素だ。「休む=怠ける」という認識を企業も含めた社会全体で変えていかない限り、この国に明るい将来はないと言っても過言ではない。
(文=編集部)

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