ドラッグはオーガズムを高めない?(shutterstock.com)
2004年、性科学の新たな知見が世界の注目を浴びた。米国の性科学研究者のJohnson、Phelps、Cottlerらは、共同研究論文『コミュニティの疫学的サンプルにおける性機能不全と薬物使用との関連性』を発表したからだ。
この共同研究によれば、Johnsonらは1981〜83年の3年間にわたってセントルイス市の成人3004人を対象に疫学的サンプルを収集し、米国精神医学会の診断統計分類DSM-IIIの性機能不全とドラッグやアルコールの常用者との関連性(発症率)を詳細に分析した。
分析の結果、性機能不全の発症率は、男性が14%、女性が33%。自己抑制的なオルガスムを感じる人は11%、性交時に機能的な性交疼痛を伴う人は13%、勃起不全や興奮の不足などを伴う人は5%、自己抑制的な性的欲求を感じる人は7%だった。
自己抑制的なオルガスムを感じる人は、マリファナとアルコールを頻繁に使用していた。性交時に機能的な性交疼痛を伴う人はマリファナを常用していた。
勃起不全や興奮の不足などを伴う人はドラッグの常用者が多かった。自己抑制的な性的欲求を感じる人はドラッグやアルコールとの相関は低かった。
つまり、性機能不全の発症率は、マリファナとアルコールの常用者で自己抑制的なオルガスムを感じる人ほど高い。この共同研究によると、ドラッグはオルガスムを高めないし、勃起不全などの性機能不全をもたらリスクが高いと結論づけているのだ。