誰よりもガキんちょだったビックマウスの転落劇
どちらも正直といえば余りにもバカ正直、反感や語弊をも恐れぬ浮世離れぶりが露呈した桃田語録だ。もちろん、憧れの田児先輩が「お山の大将のような存在」(バド関係者の人物評)で断り切れぬ側面も多々あっただろうが、最悪の見本へと自滅した。
リオ五輪でのメダルが確実視されていた才能への未練は発覚後、迅速対応のNTT東日本に後塵を拝した協会側のもたつきぶりが象徴していた。桃田選手自身は「4年後なんか全く見えず、今は反省の気持ちでいっぱいです」と談話したが、早くも東京五輪での復活を望む声さえ囁かれる。
さらに遠のくカジノ法案の成立
奇しくも先日、カジノなどの総合リゾート(IR : Integrated Resort)推進を担う内閣官房特命チームの業務を当面凍結する方針を政府が決めた、との報道が流れた。
IR推進法案の成立に目途が立たないのが理由で、悲願の2020年カジノ開業には事実上間に合わないと政府が判断したと見られている。
IR推進法案は超党派の議員連盟が2013年に提出するも廃案。昨年の再提出案が継続審議となっているものの、海外での失敗事情やパチンコに象徴されるギャンブル依存症増加を懸念する声、公明党の慎重姿勢も手伝って遅々と進まないのが現状だ。
そこへ来て突然降ってわいたような今回の、五輪候補選手による違法カジノへの出入り騒動である。推進派の「経済効果」という最大の武器を以てしても、桃田・田児両選手がなぎ倒した論戦の防波堤を元にもどすのはかなり難儀であろう。
まさに事件は反対の声よりも恐し、その余波はまだまだ続きそうだ。
(文=編集部)