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【シリーズ「最新の科学捜査で真犯人を追え!」第6回】

死亡推定時刻はなぜ分かる? 科学捜査に託し声なき遺言を手がかりに分析!

 このように死体現象は、早期から晩期に向かって不可逆的に進むので、死体の現況を検視すれば、死亡した時刻や日時を高い確率で推定できる。死亡推定時刻が正確に分かれば、目撃情報を集めたり、容疑者のアリバイを調べたりして、犯罪捜査が一気に進む。死体現象は、死者が科学捜査に託し声なき遺言なのかもしれない。

 だが、死んでも腐敗しない死体がある。ミイラや死蝋(しろう)だ。4000年前のミイラ「桜蘭(おうらん)の美女」、奥州藤原氏3代のミイラ、1920年に亡くなったロザリア・ロンバルドの「世界一美しい死蝋」などは、よく知られている。

 ミイラは、急激な乾燥によって自然に腐敗が止まった永久死体、死蝋は、通気性がなく湿潤な環境で保存されたために、腐敗菌が繁殖せず死体が蝋のように変化した永久死体だ。ミイラや死蝋を長期間にわたって保存する環境を維持することは簡単ではないといわれている。


佐藤博(さとう・ひろし)
大阪生まれ・育ちのジャーナリスト、プランナー、コピーライター、ルポライター、コラムニスト、翻訳者。同志社大学法学部法律学科卒業後、広告エージェンシー、広告企画プロダクションに勤務。1983年にダジュール・コーポレーションを設立。マーケティング・広告・出版・編集・広報に軸足をおき、起業家、経営者、各界の著名人、市井の市民をインタビューしながら、全国で取材活動中。医療従事者、セラピストなどの取材、エビデンスに基づいたデータ・学術論文の調査・研究・翻訳にも積極的に携わっている。

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