MENU

一時は引退も考えた琴奨菊が初優勝! 復活の影にブルース・リーも実践したトレーニング

kiku2.jpg

琴奨菊関のケトルベルトレーニング(youtubeより)

 日本出身力士による10年ぶりとなった悲願の優勝。自身にとっては新入幕から66場所(=歴代2位の遅い記録)での快挙を成しとげた大関の琴奨菊。

 強さとやさしさが同居した人柄、取り組み前のルーティン“琴バウアー”、新妻との微笑ましいツーショット……。話題に事欠かない優勝劇に列島中が揺れた。

 初賜杯をつかんだ秘密は、大関が昨夏から続けてきた「ケトルベル」によるトレーニングだ。その名称どおり、鉄製の丸球に取っ手の付いたやかん(ケトル)を連想させるロシア伝統のトレーニング器具。グリップよりも先に重心がある構造から、通常のダンベルやバーベルに比べ全身から力を引き出し、振り子の反動作用で体幹が鍛えられる。

特定部位よりも全身のバランスを強化

 一般的に力士は背中の強度に反し、腹部側のほうが弱いといわれている。そのウイークポイントを克服すれば、より強くなる。幕内平均を6㎝下回る身長179㎝ながらも、一気にがぶり寄る琴奨菊の場合も、持ち前の重心の低さを活かす前傾姿勢の強化が課題だった。

 そこで取り入れたのが、ケトルベルだ。日本ではまだ馴染みは薄いが、アメリカではジムやスポーツ用品専門店にとどまらず、百貨店でも入手可能なほど定着しているという。そもそもは、90年代後期に旧ソ連軍特殊部隊の元教官Pavel Tsatouline氏がその効用を雑誌で紹介し、RKC(ロシアン・ケトルベル・チャレンジ)のインストラクター資格が生まれ、商品化されたのが全米ブレイクの源流だ。

 俳優で格闘家の故ブルース・リーも、強靭で均整のとれた肉体に鍛えるため取り入れた。運動能力を高めるその有用性がアスリート間で徐々に広がり、今日ではNBAやMLBのプロ選手たちも通常のトレーニング方法として取り入れている。日本人でも古くは柔道の山下泰裕氏が、最近もダルビッシュ投手がケトルベルを活用している。

消費カロリー№1の健康増進法

関連記事
アクセスランキング
専門家一覧
Doctors marche