種目別の運度強度を示す数値(=メッツ指数)を女子栄養大学出版部刊『食品成分表2015資料編』で確認すると、①188m/分のランニング(メッツ指数:11.0)、②サッカー(同7.0)、③ハードな筋トレやゆっくり目のジョギング(同6.0)、④野球(同5.0)、⑤クラブを担いで速歩気味のゴルフ(同4.3)、⑥卓球やラジオ体操(同4.3)、⑦軽い筋トレや手引きカート利用のゴルフ(同3.5)…以下略。
⑤と⑦の間に“ラジオ体操”が割り込む程度の運動量なのになぜ!?
心疾患にリンクする危険因子については前述したが、高血圧や糖尿病にしても特に自覚症状がない。いや、そんな持病への自覚から「運動不足解消には手軽で最適」とクラブを握る人も少なくないだろう。
だが、ゴルフ中の突然死に関する数多のデータを突き合わせると、(1)起床後2~3時間後に、(2)75%がパット時に、(3)午前も午後もスタートホールで、(4)ティーショットやセカンドショットの直後に……。
こうした発生傾向が如実に読み取れる。言い換えれば、(1)や(3)にはゴルフ特有の時間(帯)の流れがあり、(2)や(4)には勝ち負けへのこだわり(=緊張感)や移動時の心拍数(=体力負担)などが大きく作用している。
要は、生活習慣病の危険因子がプレー中のきっかけと結びつくと赤信号が灯るのだ。
もちろん、寝不足と二日酔い、準備運動もなく、プレー中も止まない喫煙習慣、前半終了後の飲酒や水分補給の欠如……。“負の材料”がさらにリスクを高めるのはいうまでもない。
一説では、ゴルフ関連の年間突然死者数は約200人。また、脱水症状を招きやすい夏季集中説に対して、むしろ(熱中症を意識する夏よりも)春~初夏の心地よい季節や、(防寒意識も高まる冬よりも)秋~初冬のほうが「緊急搬送は多い」とする声など、諸説ある。
いずれにしても、40歳過ぎたら“無茶ゴルフ”は慎まないと突然の痛みに見舞われるかもしれない。
(文=編集部)