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冬季うつ病の単純化と過剰な心配? 本当にバナナを食べれば治るのか?

 冬季うつの代表的な治療法としては人工的な高照度光を浴びる光療法が有効であるといわれる。一般的なうつ病の原因と指摘されるのが、神経伝達物質であるセロトニン不足。このセロトニンを増やすには、なにより太陽光線や光に多く当たること、そのほかにも運動や食事で不足を補う方法がある。

 セロトニンは必須アミノ酸のひとつトリプトファンからつくられるが、トリプトファン合成には、ビタミンB6も必要。このためビタミンB6が多いバナナやさつまいも、レバー、青魚などを摂取することが推奨されるのだ。『冬季うつはバナナで治す!』という記事もよく見かけるが、こうした理屈による。また炭水化物中心の食事もトリプトファン吸収を助けてくれる。冬季うつの人が炭水化物への食欲が増すのはこうした身体の欲求かもしれない。またセロトニン不足から気分が落ち込み、過眠や過食の原因にもなる。

 最後に、米メイヨークリニック(ミネソタ州)のWilliam Weggel氏が指摘する冬季の憂鬱な気分を避け、意欲を保つ方法を紹介する。
①屋外を散歩する。日光は、目から入って脳に到達し、気分に影響を及ぼす神経伝達物質のセロトニンの産生を刺激する。自然光への曝露がSADの症状軽減に役立つ
②屋外に出られない場合は、自然光の代わりに光線療法装置を利用してもよい
③1日30分の運動を週3回行う
④友人や家族と定期的に会って会話をする
 日常的な対応策として極めてわかりやすい。
(文=編集部)

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