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【シリーズ「最新の科学捜査で真犯人を追え!」第4回】

筆跡は誰も真似られないか? 筆跡自動認証システム「Cyber-SIGN」の威力

 バイオメトリック認証(生体認証)のニーズに即応するために開発されたのが、筆跡自動認証システムCyber-SIGN(サイバーサイン)だ。

 Cyber-SIGNは、世界に先駆けてウィッツェル社が構築した筆跡による個人認証システムで、サインの形状から、筆圧、書き順、空中でのペンの動き、ペンのスピードまでを、X座標、Y座標ごとのストロークと筆圧によって総合的に分析する動的署名照合システム。サインだけでなく、イラスト、記号のほか、漢字のサインや各国語のサインも認証できる。

 他人が真似ても、微妙な書き順や空中でのペンの動き、ペンのスピードなどは、完全に摸倣できない。Cyber-SIGNは、形状以外の特徴を複合的に分析するため、偽造を瞬時に見破ってしまう。

 さらに、加齢や障害などによる筆圧などの経年変化も自動学習するので、書き方が多少変化しても、本人を高い確率で認証できるという。

 公文書、遺言書、契約書の偽造、アニメ、漫画、イラストなどの著作権侵害のほか、社内会議、決済システム、リモートログインの認証、電子商取引の受発注、電子マネー、入出門管理、勤怠管理、会員照会など、応用分野はきわめて広い。鑑定人の主観的な判断を越えた、Cyber-SIGNのもつ中立性と客観性。それは、科学捜査を推進する強烈なパワーエンジンのひとつに違いない。


佐藤博(さとう・ひろし)
大阪生まれ・育ちのジャーナリスト、プランナー、コピーライター、ルポライター、コラムニスト、翻訳者。同志社大学法学部法律学科卒業後、広告エージェンシー、広告企画プロダクションに勤務。1983年にダジュール・コーポレーションを設立。マーケティング・広告・出版・編集・広報に軸足をおき、起業家、経営者、各界の著名人、市井の市民をインタビューしながら、全国で取材活動中。医療従事者、セラピストなどの取材、エビデンスに基づいたデータ・学術論文の調査・研究・翻訳にも積極的に携わっている。

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