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【シリーズ「子どもの心と体の不思議のサイエンス!」第9回】

赤ちゃんは「口でものを見る」!? 脳のシナプスの「刈り込み」は神経細胞のつながりを強める

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赤ちゃんが指しゃぶりをするのには意味がある(shutterstock.com)

 赤ちゃんが最初に認識する体の部分は、どこだろう? ヒントは、お母さんのお腹の中にある。

 赤ちゃんは、お母さんのお腹の中で、指しゃぶりをしている。赤ちゃんは、生まれる前から口を認識しているし、生まれてからすぐに舌出しの真似も始める。赤ちゃんが何でも口に入れたり、舐めたりするのは、早くから発達している口の感覚を使って、自分自身の体がどうなっているのか、自分の周りの世界が何なのかを、時間をかけて理解し、じっくりと捉えようとしているからだ。

 つまり赤ちゃんは、「口でものを見る」ように捉える力を備えていることが分かる。この「口でものを見る」感覚は、共感覚と呼ばれる。共感覚は、文字に色を感じたり、音に色を感じたり、形に味を感じたりする能力だ。

 前回も話した、シナプスを強くして情報伝達を効率化する「刈り込み」という脳の仕組みを思い出してほしい。刈り込みは、脳の発達によって、赤ちゃんの感覚がひとつに統合されていくプロセスでもある。

 つまり、シナプスの刈り込みは神経細胞のつながりを強めるので、赤ちゃんは手触り(触覚)と形(視覚)が連動する共感覚を使いながら、口に触れるものを通して自分の周りの世界を理解しようとしているのだ。

赤ちゃんは、手も足も頭も使い切って世界を掴もうとしている!

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