通常、心臓からくる突然死の場合、心筋梗塞や狭心症など、そもそも何らかの心疾患をきたしていたというイメージがある。ところが、そうとも限らない。元気で生活していたのに、急に心筋梗塞を起こしたり、突然死に至ることもある。
三浦教授の監修テキストによれば、検査を受ける目安としては「生活習慣病リスクが高い」「高血圧や高脂血症「糖尿病」「肥満」「喫煙」などに2つ以上該当した時点。心当たりのある人は、睡眠不足や不規則な生活リズム、喫煙や過度な飲酒、強いストレスをためこむ、急激な運動や温度変化などには十分注意したい。
特に自覚のない人でも、危険因子を持っている可能性はある。やはり、普段の生活から動脈硬化の予防に努めたい。血液をサラサラにする「ナットウキナーゼ」を含む納豆、レモンや梅干し、酢などに多いクエン酸、青魚に含まれる「DHA」などを意識的に摂取しよう。また、適度な運動にも心がけ、無用なリスクは自ら遠ざけよう。
美智子さまのように、強い精神的ストレスによっても動脈硬化のリスクは上がる。ストレスが加わると、交感神経が活発になり、脈が速くなったり、血圧が上がったりと心臓に大きな負担がかかるためだ。こうなると、心臓には多くの酸素が必要になるが、血液の供給が追い付かないと酸素不足になってしまう。美智子さまのように、冠動脈が一部狭くなっている状態はリスクが高い。
日本でも死因の上位となっている心臓病、その8割近くは虚血性心疾患。一見健康そうにみえる人も襲う恐ろしい病気だ。危険因子がなくても心臓病の早期発見のために、40歳を過ぎたら年1回、定期的な検診を受けることを勧めたい。
(文=編集部)