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【シリーズ「子どもには絶対に使ってはいけない生活用品」連載5回】

食器用洗剤は洗浄能力の高さに惑わされるな! 胎児が異常をきたす危険な化学物質も!!

 AESは石油から作られたものがほとんどですが、パーム油(ヤシ油)から作られたものもあります。そうした製品は「植物由来だから安心」「環境にやさしい」「エコロジー」などと宣伝されています。しかし、「ヤシ油から作られようが、AESの毒性は変わりない」ということを忘れてはいけません。

 「ポリオキシエチレンアルキルエーテル(POER)」も、食器用洗剤によく使われている合成界面活性剤で、毒性はAESと同程度ですが、微生物によって分解されないため河川湖沼の環境汚染を引き起こしています。以前、横浜市の河川で鯉が大量に死んだことがありましたが、原因はこのPOERでした。

 食器用洗剤に使われる合成界面活性剤には、泡立ちをよくするものもあります。「アルキルスルホン酸ナトリウム(SAS)」が、その成分です。この成分も手肌のたんぱく質を破壊し、手荒れの原因になります。乾燥肌や敏感肌の方はSASの入った製品は使用しないほうが無難です。

 小さな子どもがいる家庭では、できるだけ合成界面活性剤の使用が少ない洗剤を選ぶことです。いちばん安全で安心できるが、合成界面活性剤無使用の洗剤です。洗浄成分に大豆レスチンを使った洗剤などが発売されていますので、そうしたものを使いましょう。

シリーズ「子どもには絶対に使ってはいけない生活用品」バックナンバー

郡司和夫(ぐんじ・かずお)

フリージャーナリスト。1949年、東京都生れ。法政大学卒。食品汚染、環境問題の一線に立ち、雑誌の特集記事を中心に執筆活動を行っている。主な著書に『「赤ちゃん」が危ない』(情報センター出版局)、『食品のカラクリ』(宝島社)、『これを食べてはいけない』(三笠書房)、『生活用品の危険度調べました』(三才ブックス)、『シックハウス症候群』(東洋経済新報社)、『体をこわす添加物から身を守る本』(三笠書房・知的生き方文庫)など多数。

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