MENU

"不倫路チュー"でVIPルームに雲隠れ入院? その一方で国民には医療費抑制!?

 大都市の病院は、入院用の病床の稼働率が80~90%と、どこも常時満員に近く、入院待ち患者も多い。国際医療福祉大の調査では、2025年に9万人分、2040年には17万人分の病床が不足し、"入院難民"が大量に発生することが確実な状況にあるといわれている。

 だが厚労省は、昨年4月の診療報酬改定で重症向け病床の要件を厳しくし、削減に乗り出した。2015年度からは都道府県ごとに過剰病床を減らす取り組みも始める。

 いうまでもなく、"医療資源"には限りがある。だからこそ、医療制度の崩壊を防ぐため、いたるところで「適正な病院利用」が呼びかけられている。

 日赤和歌山医療センター(和歌山市)は4月から、夜間・休日に受診した軽症患者に対して「時間外選定療養費」として5400円を徴収することを決定した。緊急性がないにもかかわらず「待ち時間が短い」「日中は仕事がある」などの理由で休日や夜間に救急外来を利用する「コンビニ受診」を抑制し、本来の業務の重症者の治療に力を入れるためだ。

 総務省の「平成25年の緊急出動件数等(速報)」によると、2013年の東京都内の救急隊の出動件数は74万件を上回り、過去最高を更新。効率的な医療体制をつくるには、国民・患者の側の協力も必要だ。普段は身近な「かかりつけ医」に診てもらい、本当に必要なときだけ紹介状を持って大病院に行くといった行動などが求められる。

 徳洲会と猪瀬直樹前都知事の例を見ても、政治家と医療機関の癒着はクローズアップされている。いっそうの医療費削減が進む中、一般国民が入院待ちなのに、税金で暮らしている議員がスキャンダル対策で入院。襟を正すべき議員の憂うべき有様を見て、この国の医療を託すことができるだろうか。
(文=編集部)
 

関連記事
アクセスランキング
専門家一覧
Doctors marche