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毎日アレを飲むと「痛風」になるリスクがアップ! プリン体を甘く見るな

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この一杯のために仕事をしている人も多いが......NOBU/PIXTA(ピクスタ)

 健康を考え、鉄分豊富な焼き鳥のレバーをせっせと食べた20代のサラリーマン。健康診断の結果が届いて驚いた。血液検査で尿酸値が8,0㎎/dl、これは高尿酸血症で痛風が心配な数値だという。これまでまったく意識しなかった「痛風」「尿酸値」ってなんだ?

 体内では1日約700㎎の尿酸が産出されるといわれる。尿酸は血液などで溶けながら体内を循環し、尿中でおおよそ同量が排出されてバランスをとっている。ところが何かの原因で血液中の尿酸濃度が上昇して基準値を超えると体内に蓄積する。

 尿酸が溶ける基準値は男女ともに7㎎/dl以内。これを超えると異常、「高尿酸血症」と診断される。もともと尿酸濃度の数値は男性が高いので、痛風は男性に多い。予備軍も含めると全国で約700万人に上るといわれている。

 尿酸値の高い状態が続くと結晶が関節にたまり、激しい関節痛を起こす。これが一昔前まで「ぜいたく病」といわれていた痛風だ。風が吹いただけでも激痛が走ると表現されたのが、病名の由来だ。

 痛風は、ひとたびかかると年に1、2回の発作が起こる。3〜10日間で痛みは治まるが完治したわけではない。ふいに再発するやっかいな病気だ。放置すると悪化し、関節以外にも結晶の塊ができることがある。腎機能障害のほか、高脂血症や尿路結石、糖尿病、心疾患など命に関わることもある合併症が怖い。

プリン体"ゼロ・カット"でも酒飲みには危険?

 尿酸はどうして作られるのか。あらゆる食品にプリン体といわれる物資が含まれている。このプリン体が体内で化学反応を起こして尿酸に変わる、いってみれば尿酸はプリン体が捨てたゴミだ。このゴミを処理できないと関節などにたまって痛風の引き金になる。
 
 問題のプリン体は、ビールに多く含まれている。ビール1缶(350ml)におおよそ12〜25mg。近年、「プリン体ゼロ」「プリン体カット」をアピールするビールが増えた。しかし、アルコールを飲むと一時的に尿酸値が上がるといわれており、大酒飲みには気休めかもしれない。

野菜を食べて尿酸値ダウンをめざせ!

 

 痛風は遺伝もかかわるようだが、食生活や生活習慣の改善で好転する。当然だが、プリン体を多量に含む食品を回避すれば尿酸値は正常範囲内に収まる。

 プリン体を多く含む代表格は、豚や鳥のレバー(210~320㎎)、白子(300㎎)、エビ、イワシ、カツオ(210~270㎎、いずれも100g中)(痛風財団HP/帝京大薬学部物理化学講座・薬品分析学・金子希代子教授提供)などだ。これらを常食にしなければよい。美食は禁物だ。

 プリン体は水に溶けやすいため、トリがらや豚骨で取った濃厚スープにも注意。寒い季節には食卓に鍋物が登場しがちだが、栄養たっぷりの素材を煮込むとプリン体がスープに溶け出し、尿酸値がアップする。痛風予備軍は、シメの雑炊など要注意だ。

 では、尿酸値を下げるには何を食べればよいか。尿酸はアルカリ性食品で中和される。緑黄野菜だとホウレンソウやニンジン、イモ類ならジャガイモ、サツマイモなど、ワカメやヒジキなどの海藻類もいい。野菜中心の食事でバランスよく摂取する。痛風は肥満も大敵だから、ウオーキングなど適度の運動で体重管理も同時に行いたい。 
(文=編集部)

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