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あなたの実家は大丈夫?高齢化・認知症増加で 「ゴミ屋敷条例」施行相次ぐ

【ビジネスジャーナル初出】(2014年10月)

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Flatpit/PIXTA(ピクスタ)

 敷地ギリギリに置かれた、時には道路にはみ出したごみ袋の山、無造作に打ち捨てられた家電製品、近くを通ると鼻にツンとくる悪臭、ごみに集まる虫や小動物......などなど、全国各地で見られるごみ屋敷。近くに住む人は、常日頃堪え難い思いをしている。口を出そうものなら、「ごみではない」と主張されたり、訳のわからない理由を並べ立てられたり、時には逆ギレされ退けられてしまうだろうと、直接苦情を言う人は少ない。
 
 ごみ屋敷の住人には文句を言えない代わりに、行政に苦情が行くことになる。度重なる近隣からの苦情から、これに対応する「ごみ屋敷条例」を定める自治体が出てきた。平成25年には、東京都足立区がいち早く「生活環境の保全に関する条例」を施行。大阪市でも平成26年3月から、「住居における物品等の堆積による不良な状態の適正化に関する条例」が施行された。さらに京都市でも「不良な生活環境を解消するための支援及び是正措置に関する条例」を審議中で、11月には公布される運びだ。
 
 内容を比較すると、足立区や大阪市ではごみの片付けの支援を行い、かかった費用の負担もする。ただし、従わなかった場合は氏名公表(足立区)や、強制撤去(大阪市)もある。これに対し、京都市は費用を出さないばかりか、調査や命令に従わない場合は、強制撤去や緊急の場合の即時執行、さらに過料の徴収もあるという厳しいもの。強制執行をするための条例だという批判もあるが、一方で足立区や大阪市の条例に対し、「個人が溜め込んだごみを公費で片付けるのはいかがなものか」といった意見も少なからずある。どちらが正しくてどちらが間違っているとは一概にいえないが、かような条例をつくらざるを得ないほど、自治体を悩ませる事態なのである。

●親が元気なうちに一緒に整理

 

 ごみ屋敷に関する厳しい条例を審議中の京都市では、100棟以上のごみ屋敷が存在するという。観光都市・京都では致し方ない選択なのか。

 振り返ってみて、地方に暮らす自分の親は大丈夫だろうか。親の家は不要なものであふれ返っていないだろうか。自分の親に限ってそんなことはないと思うかもしれないが、ごみを溜め込む人は会社員や公務員、医療従事者、主婦など、ごく普通の人。何も特別におかしい人だけがごみ屋敷の住人ではないのだ。普通の人が高齢になって認知症を発症し、そのせいで片付けられなくなることも少なくない。

 昨今、テレビのバラエティ番組で、お笑いタレントらが片付けられない人の家に赴き、大げさに驚きながらも片付ける企画が人気である。親が70、80歳代になると自分で片付けるのは体力的に難しくなる。親が元気なうちに、体が動くうちに、ごみ屋敷防止のため生前整理をしてもらおう。

 整理整頓がヘタな親、買い物好きな親はそもそも黄色信号が灯っている。まずは帰省した際に、家がきちんと整理されているかどうか、チェックすることから始めたい。モノを捨てられない親には、ごみ屋敷を例に挙げもったいない信仰を抜け出してもらうべく、説得を試みる。始めは無視されても、帰省するたびに「断捨離」を根気よく言い続ける。うるさがられても干渉し続けることが大切だ。少しでも片付ける気になったらこっちのものだ。親の気が変わらないうちに一緒に片付けを始めよう。

 ひと部屋ずつ見て回り、必要なものだけを残すようにするといいだろう。その際、親の感情を慮ることなくさっさと処分してしまわないよう気をつけること。思い出の品や、かさばるものは写真に撮るなどして形を変えて残すようにし納得させる。あまり使わない電化製品なども、思い切って処分する。

 理想をいえば、最小限のものだけで暮らしてもらえればごみ屋敷になることはないし、親にもしもの事があった時の対応にも面倒が少ない。しかし、そううまくいかないのが現実だ。

 まったく片付ける気のない親には、思い切って業者に入ってもらう手もある。不要なものを一気に引き取ってもらうのだ。見積りの際に、金目のものを持ち出す悪徳業者がいるので、必ず立ち会いたい。それも嫌だという親には、仕方がない、ごみ屋敷にならない程度なら目をつぶり、亡くなってから遺品整理業者に入ってもらうだけの金額を遺してもらおう。
(文=チーム・ヘルスプレス)

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