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「血圧」の大きな変動が「認知症」リスクに~血圧測定よりも心がけたい生活習慣とは?

日ごとの血圧の変動幅が大きいと……

 「日本の一般的な高齢者において、日ごとの血圧の変動幅が大きいことは、認知症発症のリスク因子である」と小原氏は説明。同時に「血圧の変動幅が大きいことが原因で認知症を発症することが示されたわけではない」と注意を促している。

 一方で、医師や看護師の前では血圧が上がる「白衣高血圧」のように、ストレスによって血圧が上がることはよく知られている。

 また、年齢が高くなるとともに血圧を調整機能が低下するため、血圧が変動しやすくなる。そのため、高齢者が認知症や動脈硬化を心配し過ぎて、家庭用の血圧計で何度も血圧を測定していると、そのストレスで血圧の変動が大きくなる場合がある。これでは逆効果だ。

血圧測定よりも「血圧を安定させる生活習慣」を

 正常値については、過去にゴタゴタも起こったことだし、神経質にこだわることもないだろう。何度も血圧を測定するよりも、「血圧を安定させる生活習慣」を取り入れたい。

 たとえば「ウオーキング」。1日8000歩、そのうち早歩きを20分以上行うと高血圧の予防に役立つと、東京都健康長寿医療センター研究所の青柳幸利氏の研究でわかっている。

 国立長寿医療センター研究所所長だった鈴木隆雄氏も、<歩ける能力を維持する>ことが健康長寿を楽しむ第一歩だと著書『超高齢社会の基礎知識』(講談社現代新書)で語っている。
(文=森真希)

森真希(もり・まき)
医療・教育ジャーナリスト。大学卒業後、出版社に21年間勤務し、月刊誌編集者として医療・健康・教育の分野で多岐にわたって取材を行う。2015年に独立し、同テーマで執筆活動と情報発信を続けている。

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