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石けんで洗わない「タモリ式入浴法」は正しい! 皮膚に悪影響を及ぼす4つの行為

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石鹸で洗わない「タモリ式入浴法」は正しい(depositphotos.com)

 「タモリ式入浴法」が話題になったのは2年前のことだ。体を石けんで洗わず、38℃程度のお湯につかるという入浴法である。タモリだけでなく、ローラ、福山雅治、妻夫木聡などといった芸能人もタモリ式入浴法を実践しているという。

 タモリ式入浴法が注目を集めた理由は、これまで「日本人が常識としていた入浴法」とは真逆だからではないだろうか――。熱いお湯に肩までつかり、体はくまなく石けんでごしごしと洗うようにと、子ども時代に親から言われた人も多いだろう。

 また、タワシで全身を洗うという健康法もある。洗うことが健康によいというイメージもある。

 しかし、「こすればこするほど、皮膚トラブルが起こりやすくなります」と『10万円のクリームより効く「何もつけない」美肌ケア』(マキノ出版)の著者である医療法人社団躍心会「江北皮フ科」院長・池田大志医師(皮膚科)は語る。私たち日本人の入浴法に、どんなトラブルの目が潜んでいるのだろうか。池田医師に詳しく聞いてみた。

「皮膚のバリア機能」に悪影響を及ぼす4つの行為とは?

 人間の皮膚は、表面から「表皮」「真皮」「皮下組織」の3層で構成されている。表皮のいちばん外側にある「角質層」が、外部から異物が侵入することを防ぐとともに、内部から水分が蒸発することも防いでいる。これを「皮膚のバリア機能」という。

 池田医師によると「皮膚のバリア機能に悪影響を及ぼす行為」は次の4つ。

①皮膚が濡れたままの状態でいること
②界面活性剤に触れること
③体温より高いものに触れること
④皮膚をこすること

 「界面活性剤」とは水と油をなじみやすくする物質で、石けんやボディソープなどに含まれている。ということは、日本人の入浴法は「皮膚のバリア機能に悪影響を及ぼす」わけだ。この入浴法によってアトピー性皮膚炎を発症しているケースがあると注意を促す。

 「皮膚を水につけることで、角質層は水浸しの状態になって本来あるべき形を失い、バリア機能が低下するのです。しかも、体温よりも高いお湯では、皮脂や角質層の間にある保湿成分が溶け出します。そのような状態で界面活性剤を含む石けんなどで体をこすって洗うと、皮脂も保湿成分も洗い流され、角質層が破壊されてしまうのです」

 毎日の入浴で角質層が破壊されると、乾燥やかゆみが長期間にわたって引き起こされ続ける。皮膚科医にとって大切な仕事はスキンケア指導だと池田医師は強調する。

 「どんなに優れたかゆみ止めや保湿クリームを塗ったとしても、熱いお湯につかって、ボディソープを使って全身をこすり洗いしている限り、症状は消えません。ですから、おふろのお湯は40℃以下に設定し、お湯につかる時間は2~3分にして、ナイロンタオルやボディソープは使わないように私はお伝えしています」

 ちなみに、タワシで全身を洗う健康法について池田医師に尋ねたところ「健康法としてはわかりませんが、皮膚科医としては決してお勧めできません。現在はよくても、将来的にはアトピー性皮膚炎を発症させる可能性が高いでしょう」とのことだった。

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