ニートの増加が生涯未婚率の上昇に影響?
もう少し具体的に結果を見てみよう――。
今回の調査では、男性が5年前の前回比で3.23ポイント増の23.37%、同じく女性も3.45ポイント増しの14.06%を弾き出した。男性の場合で1970年まで、女性のほうは1960年まで、それぞれに1%台での推移が長く続いていたそうだが、40~50年という歳月の経過は「ゴールまでの距離」をかなり遠ざけたと言えるだろう。
この生涯未婚率の増加ベスト(ワースト?)3を都道府県別で見てみると――。
男性では①沖縄=26.20%、②岩手=26.16%、③東京=26.06%。
女性では①東京=19.20%、②北海道=17.22%、③大阪=16.50%
その県別・性別の各事情を機会があれば取材・調査したい思いに誘われる。
参考までに生涯未婚率が「低いほうから」の県別・男女別ベスト3も掲げておくと――。
男性では①奈良=18.24%、②滋賀=18.25%、③福井=19.19%。
女性では①福井=8.66%、②滋賀=9.21%、③岐阜=10.00%。
ニートなおそ松世代の「嫁」や「婿」はこれらの県で探すべきなのか?
一方、同じ国立社会保障・人口問題研究所が昨秋に公表した「出生動向基本調査」によれば、「いずれは結婚したい」と考えている未婚者(18~34歳)の割合は男性で85.7%、女性は89.3%といずれも高水準を示していた。
ところが実情では「結婚資金」や「結婚のための住居」の確保が障害と苦慮している人々が多く、残念ながら前掲の「非正規労働者の増加」が「生涯未婚率の上昇に影響しているのでは」という研究者の見解を裏付けている。
誰よりも政治家が「お粗末」過ぎるこの国では、ニートな6つ子らの「くだらない日常」にわが身を投影しつつ自嘲するしかないのか……「これでいいのだ!」とは誰も思っていない。
(文=編集部)