「一緒に理解しあう」という当たり前のこと
アメリカで心理療法士をした経験もあるダニエル・マックラー監督が、フィンランドを訪れ、オープンダイローグに携わる医療スタッフを取材した映画『Open Dialoge:An Alternative,Finnish Approach to Heaking Psychosis』が、ユーチューブに公開されている。
その中でセイックラ氏はこのように述べている。
「我々は意思決定したり、今後の計画を立てたりしません。むしろ我々の目標は一緒に座って理解しあうことなのです」
ある意味で、あたりまえのことを言っているようにも思えるが、オープンダイアローグがいま世界中から注目されているということの背後には、その当たり前のはずの「対話」が、これまでの精神医療の世界で、いかにないがしろにされてきたかということを表している。
オープンダイアローグは、日本でも斎藤環氏らが中心となり、研修プログラムが始まりつつある。いまだ薬物療法が中心の日本の精神医学会に、一石を投じることを期待したい。
(文=編集部)