MENU

夜間の屋外照明が「睡眠の質」を落とす!? 都市部ほど深刻な「光害」問題

自覚で防げる部分から「光害」を減らそう

 この街灯による光害を「公害」とするならば、今日のデジタルデバイス世代は「私害」とでも呼びたい曝露に連日さらされている。勤務時間帯のPC操作はやむを得ないとしても、自由時間にもタブレット端末やゲーム機をフル稼働の画面で曝露。そして、曝露の最悪例が就寝前のスマホのチェックだろう。

 頭上のLED照明を消して寝床に入ってもブルーライトを発するスマホを手放せない。この行為が網膜を通じて眠気を促すホルモン(メラトニン)分泌に抑制をかけて、就寝前の体を再び「もう、朝か?」と錯覚(覚醒)させる。

 翻って朝の起床時であれば、このブルーライトの強い覚醒効果がプラスの意味に働く。まだ薄暗い冬の早朝でも起きてから直ぐに部屋の照明を点ければ、LEDに含まれる日光級のブルーライトが体を目覚めさせてくれる。

 これで1日24時間よりもやや長目に出来ている概日リズム(Circadian rhythm)のズレが修正されるためだ。夜の場合は真逆のマイナス効果が起こり、シカゴのノースウェスタン大学で行なわれている最近の研究では、ブルーライトを3時間以上見続けると「空腹感」が増し、肥満を誘発(諸々の体調不良にも影響?)するのではないかとの新説も浮上してきている。

 要は概日リズムを乱す負の面もあれば、連日の誤差をリセットして活力を高める正の役割も大きいブルーライト。もはやデジタルデバイスを手放せない現代人であるからこそ、個人の自覚や認識度が使い手の健康事情までをも左右する。寝床厳禁を習慣化しよう。
(文=編集部)

関連記事
アクセスランキング
専門家一覧
Doctors marche