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オメガ3脂肪酸は本当に「うつ病」に効くのか!?〜医療研究のエビデンスを問う!

改めて問う「質の高いエビデンス」とは何か?

 近年、「エビデンス(科学的根拠)に基づいた」ということがさかんに言われるようになっており、健康食品やサプリメントについても、論文の臨床試験結果が「エビデンス」として提示されるようになった。

 しかし、臨床試験で結果が出たから、それを高品質のエビデンスと言えるかというと、必ずしもそうとは限らない。極端な話、都合のいい被験者を集めて、都合のいいように測定基準を決めれば、都合のいい結果が出てしまう。

 医療の分野での「エビデンス」とは、「ある治療法がある病気・怪我・症状に効果があることを科学的に示した成果」のことを指す。適切にデザインされた研究を行い、結果を適切に評価して初めて、「科学的に示した」と言える。

 もちろん、そのようなしっかりした研究結果、すなわち「質の高いエビデンス」と言えるものも多くあるが、そうでないものが「エビデンス」と称され、販売促進に使用されていることも少なくないのが現状である。

「エビデンスがない=効果がない」ということか?

 ただし、現時点でエビデンスがないということと、オメガ3脂肪酸が大うつ病に効果がない、ということとは違う。今回の研究で示されたのは、「現時点では、効果があることを示すエビデンスも、効果がないことを示すエビデンスもない」ということでしかなく、オメガ3脂肪酸のうつ病に対する効果を否定するものでは全くない。

 オメガ3脂肪酸が大うつ病に効くのか、あるいは効かないのかは、今後、しっかりした試験をして初めて明らかになる。
(文=編集部)

●参考文献
http://matome.naver.jp/odai/2137741141378349701
http://www.lpbs.net/
http://health.suntory.co.jp/omega/secondperiod/

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