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高齢者の運動は軽いほどいい? 週5時間の家事だけでも“健康寿命”がアップ!

 一方、ノルウェーでの大規模調査でも似たような結果が導き出されている。ノルウェースポーツ科学大学の研究チームが1万5000人の男女を対象に、1970年代から2011年にかけて、生活スタイルと運動についての追跡調査を実施した。

 解析した結果、運動や身体活動を続けていたグループでは、心血管疾患などのさまざまな病気による死亡のリスクが低下していることが判明。特に80代の高齢者は「運動強度に関わりなく」、1日30分の運動・身体活動を週に6回行うことで、死亡率が40%も減少することが示された。これは、喫煙者が禁煙するのと同じくらいの健康効果に匹敵するという。

 「何もせずにいるより、機会を見つけて意識的に身体を動かせば、その蓄積が劇的な効果をもたらす。座ったまま電話で話すのではなく、立ち上がって歩き回りながら話すだけでも、全体的な身体活動量を増やすことができる」と、先のオレゴン州立大学の研究者は指摘している。

 人間はやはり「動物」。高齢になっても、できる範囲で働き、動き回ることによって身体の組織を活性化させ、それぞれのレベルの健康を維持することができるのだ。そしてそれは、決してハードルの高いことではない。
(文=編集部)

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