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「肝臓」は女性のほうがダメージを受けやすい! 約8割の女性が肝臓ケアに無関心?

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"隠れ肥満"は脂肪肝へのリスクが高まる IzaVel/PIXTA(ピクスタ)

 健康診断を受診する人が多い春――。健康診断の受診率は増加し、健康意識は高まる一方、生活習慣病の疑いのある人は増えている。

 5月25日、カゴメ株式会社が発表した「食生活と健康診断に関する意識調査」では、意識と実態にギャップがあることが分かった。

 厚生労働省の「平成24年 労働者健康状況調査」によると、過去1年間に会社が実施した定期健康診断の受診者の割合は88.5%で、平成19年時の調査結果(86.9%)と比べて受診率は増加した。

 ところが、日本人間ドック学会によると、人間ドックの受診者で「生活習慣病関連項目」に「異常あり」と診断された人の割合は年々増加している。肝機能異常が32.4%(平成19年調査時25.7%)、高コレステロールが31.5%(同25.7%)、肥満が29.3%(同25.0%)と6項目で増えている。

 そこでカゴメは、「食生活と健康診断に関する意識調査」(2015年4月11~13日・インターネットによるアンケート調査)を実施。男女1000名(東京・愛知・大阪の20代~50代)が回答した。

 この調査では、健康診断、診断結果から日頃の食生活までの意識や実態が明かになった。なかでも注目すべきは、約8割(79.2%)の女性が肝臓ケアを意識しておらず、さらに約6割(57.2%)は健康診断での肝臓の数値も気にしないということだ。これは男性(気にしていない41.6%)と比べて、高い結果だ。

 アンケートでは、食生活を気にしている人の63.4%は健康診断や人間ドッグの結果を配偶者・パートナー同士で見せ合っている。毎日の食生活で栄養バランスなどに気を使っている人は75.6%で、さらに気を使っている人の63.4%が、配偶者・パートナーと健康診断や人間ドッグの結果を見せ合うと回答した。

 この調査を監修した、東海大学医学部健康管理学教授の西﨑泰弘医師は、こうアドバイスする。

 「女性は食を健康の直結要因として捉えているが、ここまでは "関心期"。そこから先に進まなければ健康は獲得できない。ぜひ、厚生労働省の『食事バランスガイド』などを参考に具体的に学んでいただきたい」

女性は要注意! アルコールを飲まない人も脂肪肝に

 さらにアンケートでは、既婚女性の約2割が夫の「肝臓」を気にし、最も気になる部位別順位の1位であった。だが、その割には、女性は「肝臓の数値を気にしない」という人の割合が高かった。

 既婚女性が夫の肝臓を気にするのは、脂肪肝やアルコールの影響についてだろう。だが、肝硬変や肝臓がんになることもある「非アルコール性脂肪肝炎(NASH)」は、実は女性に多い。また、アルコールによる肝臓へのダメージも男性より女性の方が受けやすいことが分かっている。

 最近、お酒を常飲していない人にも肝細胞に脂肪が溜まる「脂肪肝」が増加している。脂肪肝に炎症が起こるとNASHになる。NASHが継続すると肝硬変へ進展し、肝細胞がんになるリスクが増す。

 「女性は、閉経後に筋肉が減る傾向があり、見た目が太っていなくても体脂肪率が高い"隠れ肥満"に陥り、脂肪肝へのリスクが高まる。飲酒しない人も、肝臓への関心をぜひ持っていただきたい」(西﨑医師)

 肝臓をいたわるためには、アルコールはエタノール量換算で25g/日以下(ビール500ml以内)、脂肪と炭水化物が多くならないように気をつけ、適度な運動をしつつ良質なタンパク質を摂取することを勧めている。

 「とくにタウリンや分岐鎖アミノ酸は肝臓の治療にも用いられており、イカ、タコ、エビや皮を外した鶏肉や魚はお勧めです」(西﨑医師)

 肝臓は人体最大の"化学工場"だ。あらゆる栄養素の代謝に中心的に働く。脂肪肝を回避して、メタボリック症候群や生活習慣病にならないよう日頃から気をつけたい。
(文=編集部)

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