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蕁麻疹(じんましん)

【病気の知識】

どんな病気

 激しいかゆみを伴って、皮膚が赤くなって蚊に刺されたように盛り上がってくる病気です。この発疹を膨疹(ぼうしん)とよびます。くるみぐらいの円形の大きさから、地図のように不規則な形をとったりと様々です。

体のどんな部位にも出て、範囲が狭い人、広い人、様々です。普通は数時間で消失し、また違う場所に出現するという態度をとります。その本態はいろいろな原因によりますが、皮膚の真皮に存在する肥満細胞がヒスタミンという物質を出し、かゆみとともに毛細血管が拡張し血管の透過性を亢進させ、皮膚の浮腫を起こさせ、皮疹を形成します。

 また、まぶた、頬、唇などに限局して赤く硬くなった発疹が長い時間でることがあります。これは、皮下組織の浮腫が原因で、クウィンケ浮腫と呼ばれ、じんましんの一種です。

 じんましんの原因としては、食べ物、薬、花粉、ほこり、細菌やウィルス感染(かぜをひいたりなど)、圧迫、摩擦などの物理的刺激、悪性腫瘍などの内臓疾患、精神的ストレス、寒冷・温熱、発汗、日光、運動など多くのものが原因となるとされています。

 多くは疲れやストレスが原因になります。1カ月以上続くような"慢性じんましん"、や一過性の"急性じんましん"というような分類をしますが、急性じんましんの場合には問診によって原因がわかることもありますが、慢性じんましんの場合には原因を確定することは困難です。

 時にじんましんは内臓の血管などにも起こりショックやのどの浮腫を伴い、呼吸困難や下痢を引き起こすことがあります。

どんな症状

 一過性に経過するかゆみを伴う限局性の皮膚の浮腫です。

どんな検査

 皮疹は特徴的であり視診で診断できます。また問診も重要です。皮膚をひっかくことによる皮膚描記症(膨疹誘発)を確認したりすることもあります。ただし薬疹やその他の病気で蕁麻疹と同じ膨疹を生じさせる病気があるのでこの場合は個々に血液検査等を行います。

ただ、"じんましんがあると肝障害がある"と一般的に言われているほど、その頻度は高くありません。

  食べ物など思い当たる原因があれば、その食べ物に対するIgEという値を測定します。陽性に出たからといっても断定はできず、その食べ物を摂取してじんましんがでるということを確認することが必要です。このように多くの場合、じんましんには血液検査は積極的に行うものではありません。

どんな治療

 原因を確定することが難しいため、抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬で対症療法をします。症状が落ち着くまで、内服を続けてもらい、自然治癒を待ちます。

抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬にはたくさんの種類があり、人によってこれが合う、合わないがあります。その場合には1週間前後の内服後に、変更ないしは、薬剤を追加したりします。1回でその薬剤が合う人もいれば、2、3回変更しなければならない人など、さまざまです。

慢性じんましんの患者さんのなかには、一般的には胃薬として使われている抗ヒスタミン薬で効果があることもあり、投与することがあります。ショックを起こしたり、全身の発疹が何日間も続いて出現するなどの場合には、副腎皮質ホルモン(ステロイド)を投与します。

疲れやストレスが原因になることが多いので、自己コントロール(アルコールや残業を減らすなど)が必要であり、場合によっては精神安定剤などが必要になることもあります。

どんな予防法

 原因によって異なりますが、不摂生をさけることや、食物で生じることが明らかな場合はその食物をさけるしかありません。

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