「不規則な睡眠時間」は百害あって一利なし
ただし、今回の結果は「一晩でも徹夜すると肥満の危険があると強調するものではない」とのこと。
Cedernaes氏は「習慣的な睡眠不足で何が起こるのかという課題を提起するもので、睡眠不足が代謝にどのような影響を与えるのかを掘り起こしたものだ」と説明している。
また、専門家の一人で米コロラド州立大学のJosiane Broussard氏は、この研究は極めて重要なものだと評価した上で、「今回の研究から、睡眠不足の影響で骨格筋組織が減少し、脂肪の貯留が促される新たな機序が解明された」と述べている。
その一方で、米ワシントン州立大学准教授のEva Szentirmai氏は、この結果は実験室での人工的な環境で得られたものに過ぎず、「習慣的な睡眠不足に陥っている場合でも、それぞれの組織で今回と同様の変化が見られるかどうかは分からない」と指摘している。
Cedernaes氏は「必要な睡眠時間は人によって異なるが、一般には成人で1日7~9時間の睡眠を取ることが推奨されるとしている。また、夜勤などで睡眠時間が不規則な人は健康的な食生活を心掛け、定期的に運動するなど良好な生活習慣を保つべきだ」と助言している。
(文=編集部)