LGBTは、外見や言動だけでは分からない。どのような状況なのか見えない。分かりにくい、見えにくいLGBTが可視化され、その状況や存在が身近に感じられるようになった。なぜだろう?
発端は2013年、国内初のLGBT支援宣言を発表した大阪市淀川区、兵庫県宝塚市、奈良市の先駆けがあった。2015年3月、超党派の国会議員によるLGBTに関する議員連盟が発足。4月、渋谷区で同性パートナーへの同性パートナーシップ証明書を発行する同性パートナーシップ条例が成立。6月、米国連邦最高裁の同姓婚合憲判決に続き、7月、沖縄市のLGBT支援宣言。弁護士らが同姓婚を認めないのは人権侵害と公式表明。8月、世田谷区が同性パートナーシップ宣誓書の承認を発表......。
矢継ぎ早に、LGBTの人権保護への社会的なコンセンサスが形づくられ、人権支援の動きが活発化してきた。
このようなLGBTの人権保護の波は、国や自治体にも企業にも個人にも及ぶ。体の性、心の性、好きになる性というセクシュアリティを理解し、上司や部下、取引先や顧客、家族や友人や恋人にLGBTがいることを認識しつつ、アライ(Ally:LGBTの理解者や支援者)として行動できる時代が来た。次回は、LGBTの生活や仕事は、どのような状況なのか、その実像に迫る。
(文=編集部)