階段をスムーズに昇り降りできなくなったら要注意!shutterstock.com
最近、階段の上りで手すりをつかんでしまう。よく家の中で滑ったりつまずいたりするようになった――。
そんな人は、年齢に関わらず「ロコモティブシンドローム(以下ロコモ)」が進行している可能性があるので要注意だ。ロコモとは、筋肉、骨、関節、軟骨、椎間板など、身体を動かす「運動器」の障害によって「立つ」「歩く」といった機能が低下している状態のこと。進行すると日常生活に支障が生じ、要介護や寝たきりになるリスクが高まる。
日本整形外科学会は、超高齢社会・日本の未来を見据えて、2007年にこのロコモという概念を提唱した。今は予備軍を含めると、4700 万人にロコモの危険性があると言われている。2025 年には、いわゆる団塊世代が75歳を超え、国民の5 人に1人が後期高齢者になると推計される。運動器を長持ちさせるためのロコモ対策は、今やわが国の最重要課題なのだ。
3つのテストで簡単にロコモを判定
日本整形外科学会では今年5月、ロコモの進行具合をチェックする新たな判定法を発表した。2013年に発表していた「ロコモ度テスト」をベースにして、「ロコモ度1」「ロコモ度2」の2段階に自分が該当するかどうかをチェックし、ケアや医師への受診に役立てて欲しいというものだ(https://locomo-joa.jp)。
次の3つのテストによって「ロコモ度」を判定する。いずれも時間がかからず簡単なので、仕事の合間にでもぜひチャレンジして欲しい。
①立ち上がりテスト
腕を組んで高さ40㎝の台(低めのイス)に浅く座り、反動をつけずに片足で立ち上がって3秒間静止する。左右両足ともできれば合格。できた人は高さ30㎝(低めのソファーや階段)、20㎝(足台など)と、台を10㎝ずつ低くして挑戦するとよい。片足ができなかった人は、両足で同様に台を低くしていく。
判定:高さ40㎝の台からどちらか一方の足で立ち上がれなければ「ロコモ度1」
20㎝の台から両足で立ち上がれなければ「ロコモ度2」
②2ステップテスト
まっすぐ立った姿勢から思い切り大股で2歩歩き、距離を測定して身長で割った「2ステップ値」を出す。2回行い、良かった方の記録を採用する。
判定:2ステップ値が1.3未満なら「ロコモ度1」
2ステップ値が1.1未満なら「ロコモ度2」
③ロコモ25
サイト内にある、普段の生活に関わる25の質問(https://locomo-joa.jp)に答え、その選択肢の合計点数で運動器に関わる身体・生活状況を評価する。
判定:7点以上で「ロコモ度1」
16点以上で「ロコモ度2」