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【連載第10回 慢性腰痛を深く知る】

ぎっくり腰は防げる! 間違った日常の動作に気をつければ腰への負担は軽減する

 身体の左右のバランスを崩すような生活習慣が、腰痛を招く。

 椅子に座るときは、膝を組むと腰の高さが左右で異なり、腰に負担がかかる。それだけでなく、歯のかみ合わせも狂ってしまう。座っているときに膝を揃えて右か左に足首を流す座り方は、品がよく見えるが、これも左右のバランスを崩す元だ。椅子に座るときは左右均等を心がけたい。

 床に座るとき、腰のためには正座が一番いい。正座は膝には負担がかかる。そこで足を崩して、片側にだけ足を流すような座り方をしている人も多いが、やはり左右のバランスに注意が必要だ。片側にばかり足を流す癖がある人は、しばらく逆側に足を流すようにして、崩れたバランスを正そう。

 ショルダーバッグをいつも左、あるいは右にかける癖がある人も、片方だけに力が入ってしまうし、腰の高さも狂う。できれば両方に均等に過重がかかるように、反対側にも荷物を持つか、リュックのような両肩にベルトをかけるバッグにしたい。斜め掛けのバッグも腰痛の元だ。

 ゴルフやテニスなど、いつも片方ばかり使うスポーツの場合も、意識的に反対側を使うようにしてバランスを取ろう。筋肉の左右差もケガの元だ。基本的に利き腕や利き足ばかり使いがちなので、左右差が大きい人は、それとは反対の腕や足を意識的に使って鍛えたい。

 立ちっぱなしの仕事では、片足にばかり重心をかける癖が出がちだが、できれば腰幅くらいに足を拡げて、両足均等に体重をかけるように意識したい。調理など立ったまま行う作業が多い場合には、片足を踏み台に載せると、腰への負担が軽くなるが、いつも同じほうの足ばかり踏み台に載せていると、左右のバランスが崩れるので、ときどき左右を逆にして、バランスを取るように心がけたい。

 次回は腰痛を予防するためのマットレス選びや寝方、腰痛にならない正しい動作を行うために必要な筋肉をつけるトレーニングについて説明しよう。


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森田慶子

森田慶子(もりた・けいこ)
経験20年の医療ライター。専門医に取材し、その分野を専門外とする一般医向けに発信する医師向けの医学情報を中心に執筆。患者向けの疾病解説の冊子や、一般人向けの健康記事も数多く手がける。これまでに数百人を超える医師、看護師などの医療従事者から、最新の医学情報、医療現場の生の声を聞いてきた。特に、腰痛をはじめとする関節のトラブル、糖尿病、高血圧などの生活習慣病、うつ病や認知症などの精神疾患、睡眠障害に関する記事を多く手がけてきた。

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