研究を行ったMacy氏は、「ジュニアシートは乳幼児用シートほど取り付けに技術がいらないうえ、仕組みも簡単に見えるため、親や家族はあまり誤使用の心配をしない可能性がある」と指摘。
「今回の研究は、資格を持った安全技術者がジュニアシートの適正な使用時期や、使用方法に関してサポートしていくことが、子どもの重症死亡事故を減らすために有益だと示した」と述べている。
チャイルドシート使用義務が6歳未満の日本でも、JAFや警視庁では「子どもの身長が10歳児の平均である140㎝に達するまでは、ジュニアシートを使用することが安全上必須」と呼びかけている。JAFは今年、「ジュニアシートはもういらない?」というコンテンツを作成してホームページに公開した。
http://www.jaf.or.jp/eco-safety/junior_seat/index.htm
チャイルドシートを使う目的が「子どもを事故から守る」ことなら、法定年齢を過ぎても、安全にシートベルトが着用できるまで使い続けることが正しいあり方だろう。子どもの死亡事故は、時速30~40㎞の低速走行中や追突でも起きている。親はシートベルトに守られ、無防備なわが子だけが重症を負うのはあまりに悲しい。
また、せっかく使っていてもミスユースでは意味がない。前出の「チャイルドシートの使用状況」でも、正しくクルマに取り付けられていたチャイルドシートは45.5%。正しく着座できていたのは59.5%にとどまっている。わが家での使い方をチェックしたいという人は、JAFや自動車ディーラーなどが開催する講習会に足を運んでみるのもお勧めだ。
(文=編集部)