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【シリーズ「恐ろしい飲酒習慣」第6回】

酒の飲み過ぎで危険なのは肝臓だけではない! 膵臓・胃腸・心臓に及ぼすリスクの実態

習慣的な飲酒は百害あって…(shutterstock.com)

 酒の飲み過ぎは肝臓によくない! では、膵臓、胃腸、心臓、脳、神経系、筋肉系、骨格系、ホルモン系、生殖系などへの影響はないのか?

 今回は、酒が、膵臓、胃腸、心臓に及ぼす甚大な障害やリスクを噛み砕いて話そう。

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危ないのは肝臓だけじゃない!

 酒の飲み過ぎは膵臓も窮地に追い込む。膵炎や膵臓がんは、なぜ恐いのか?

 膵臓は、みぞおちから少し下の胃の裏側に左右に横たわるようにある。長さ15〜20cm、幅3〜4cm、厚さ2cm、重さ120g。淡黄色の細長く小ぶりの器官だが、きわめて重要な2つの働きをする。

 ひとつは外分泌機能。食べ物を消化する消化酵素のすい液(1日当たり約1.5ℓ)を作り、胆汁を混ぜ合わせつつ、炭水化物、タンパク質、脂質の3大栄養素を消化しやすい状態に分解し、十二指腸に送る。もうひとつは内分泌機能。血液中の血糖値を調節するインスリン、グルカゴンなどのホルモンを分泌し、血糖値を一定に保っている。

 膵炎は、酒の飲み過ぎによるすい液の分泌過剰、膵管の狭窄のほか、脂肪の消化を促す胆汁成分が胆嚢や胆管の中に固まる胆石症、高脂血症、薬剤の投与など、複合的な要因で起きる。

 症状は、腹部の激痛、下痢、吐き気、発熱などを伴う。急性膵炎慢性膵炎があり、急性膵炎は死亡するリスクも高い。慢性膵炎は炎症が慢性化して外分泌腺細胞が破壊されるため膵臓の線維化が進んで発症する。また、内分泌機能も低下すると消化酵素やインスリンの分泌が低下するので、糖尿病の発症につながる。症状が進むと白っぽく水に浮く軽い便が出ることがある。

慢性膵炎、糖尿病から、膵臓がんになるリスクも

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