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食べる順番ダイエットは医学的根拠あり!会席料理は理にかなった先人の工夫

先付けから出される会席料理の順番がベスト!(shutterstock.com)

 年初に当たり「今年こそウオーキングで痩せよう」「ジョギングを始めよう」と決心したあなた。それ自体は素晴らしいが、確実に体重を落としたいのなら、運動だけでは難しいというのが、今のダイエットの常識だ。肥満の原因は、食後の血糖値の過剰な上昇が中性脂肪の蓄積を招くことも広く知られるようになった。

 そこで現在流行しているのが、糖質制限などの血糖値のコントロール。だが、食べたいものを我慢するのはつらい。極端な食事制限をしてダイエットに成功したとしても、ストレスを溜めてリバウンドしては元も子もない。そこで、いつものメニューでも、食べる順番で痩せるというダイエット法も注目されている。

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 野菜を米飯より先に食べると、食物繊維の働きによって、小腸で糖の吸収が穏やかになり、血糖値の急上昇が抑えられることは知られていた。この科学的根拠が昨年12月24日、欧州糖尿病学会機関誌『Diabetologia』(電子版)に学術論文として掲載された。

「ご飯が最後」が糖の吸収を穏やかにする

 この研究発表をしたのは、関西電力医学研究所のグループ。食事の「食べる順番」を調整して、米飯の前に肉や魚を摂ると、胃の運動が緩やかになり、食後の血糖値の急上昇を改善できることがわかったという。つまり、同じメニューであっても、食べる順番を意識することで、糖尿病や心血管疾患の予防などにつながる可能性が示されたのだ。

 研究グループは2型糖尿病の患者12人と健康な10人を被験者として、米飯を先に食べた場合と、魚(サバの水煮)か肉(牛肉の網焼き)を米飯の15分前に食べた場合について、それぞれ食後4時間までの血糖値の変動を調べた。

 すると糖尿病患者も健康な人も、血糖値の上昇率は「米飯を先」に食べた場合比べて、「魚を先」に食べた場合が約3割、「肉を先」に食べた場合が約4割低くなり、血糖値の変動が緩やかになった。

 さらに、肉・魚どちらの場合も「インクレチン」という消化に関わるホルモンが、食後30分で通常の約2倍分泌していた。この影響を受けて胃の動きが緩やかになったため、米飯が消化されて小腸で吸収されるまでの時間が約3倍にも長くなっていたという。

 今回の研究で、「最初に野菜、次に肉や魚、最後に米飯という順番にすれば、より効果的に血糖値を抑えられることがわかった」と、矢部大介副所長(糖尿病学)は述べている。近年、提唱されてきた「食べる順番ダイエット」に、より医学的な裏付けができたと考えていいだろう。

会席料理の順番が理想的

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