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【連載第9回 死の真実が“生”を処方する】

東京五輪の"おもてなし"を支えるタクシー業界が高齢化! 負担のない環境整備を

日本のタクシーは世界一安全か!?Lucian Milasan / Shutterstock.com

 2020年、東京オリンピックが開催されます。招致活動の最終プレゼンテーションでは、「東京のタクシーは世界一親切です」というアピールがありました。確かに諸外国と比べるとそうかもしれません。今回はタクシーの重大事故を減らすにはどうすればいいか、考えてみましょう。

他分野よりも進むタクシー業界の高齢化

 平成14年に施行された改正道路運送法により、タクシー事業への参入条件が大幅に緩和されました。それによって法人事業者数や車両数は一時的に増加しましたが、国土交通省が初年に通達した供給抑制策などで、ここ数年、車両数は減少。国内のタクシーの総車両数は、24万6322台(平成24年3月末時点)です。

 タクシー業界の特徴は、運転者の高齢化にあります。男性タクシー運転者の平均年齢は57.6歳(平成24年度)。全産業の平均が41.7歳と比べても、はるかに高いことが分かります。なお、個人タクシーではさらに高く、61.9歳(平成23年度)です。

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 平成24年における全交通事故件数は66万5138 件、死者数は4411 人。タクシー事故に限ると、全事故件数は1万7749 件、死者数(タクシーが第一当事者)は33人でした。

 タクシーの台数や営業時間を考えると、交通事故件数はむしろ少ないといえるでしょう。しかし、全体の交通事故件数が減少傾向にある中で、タクシー事故の減少率が緩やかなのが問題です。

 そこで業界では、交通安全対策を最重要課題と位置づけて「ハイヤー・タクシー事業における総合安全プラン2009」を策定し、平成29(2017)年までにタクシー・ハイヤー事故件数を1万件以下、死亡事故件数(第一当事者)を20件以下にすることを目標に努めています。

高血圧が原因となる脳血管疾患や心疾患を防ぐ

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