潤い度が格段にアップする化粧水の効果的な使い方とは?(GettyImagesより)
日本では一般的な化粧水ケア。しかし以前、フランスの某化粧品メーカーを取材した際、「フランスではほとんどの女性が化粧水を使わない。乳液やクリームだけ」と教えてくれました。さらに、「日本人女性の肌が美しいのは、しっかりとした保湿ケアのおかげだと思う。化粧水でキメの整ったふっくら肌がキープできている」と褒められたのが印象的でした。
ところが、高価な美容液やクリームは丁寧に塗るのに、化粧水の使い方がザツになっている人もいるのではないでしょうか? もし、肌の乾燥やキメの粗さ、シワ、ゴワつきなどを感じているなら、化粧水の使い方を見直してみましょう。ふだん何気なく使う化粧水も、パシャパシャつけるだけでなく、効果的な使い方を意識すれば潤い度は格段にアップします。
[an error occurred while processing this directive]年齢を重ねて肌の悩みが増えている人も、アンチエイジング効果をグッと高める化粧水の使い方をおさらいしてみましょう。
化粧水は目的に合ったタイプを使う
化粧水できちんと肌に潤いを届けると、キメが整って肌そのものが柔らかく変化します。水分と皮脂のバランスも良くなり、くすみが払拭されて透明感が生まれます。土台を整えることで、その後の乳液や美容液、クリームなども肌の奥まで浸透しやすくなるのです。
ただし、肌にあった化粧水を正しく使用することがポイント。化粧水には、大きく分けて、保湿・収れん・拭き取り・美白・エイジング用・ブースターがあります。最もポピュラーなのは「保湿化粧水」。それぞれの効果は、以下の通りです。
〇保湿化粧水
角質層に水分や保湿成分を届けることで肌に潤いを与えます。洗顔後のつっぱりを解消し、乾燥からくる小ジワやカサカサを予防するので、一般的に広く使われています。
〇収れん化粧水
肌の引き締めを高める化粧水。皮脂が多く、それにより吹き出物が出やすい肌やオイリー肌によるテカリを抑えます。
〇拭き取り化粧水
ふだんのお手入れでは取れにくい、肌に残った油分や不要な角質を取り除く化粧水。鈍くなった肌の代謝を高め、ザラつきやくすみなど厚くなった余分な角質をはがしやすい状態にします。
〇美白化粧水
美白成分を角質層に届けて、日焼けによるシミやそばかすを予防します。
〇エイジング用化粧水
加齢による肌変化に対応する化粧水。シミ、シワ、たるみをケアし、肌にハリや弾力を与える手助けをします。
〇ブースター
導入化粧水、プレ化粧水とも呼ばれ、化粧水前に使用することで、後に使うスキンケアをスムーズに角質層まで届けます。拭き取り化粧水として角質ケアもできます。
収れんタイプや拭き取りタイプは、使い方を間違えたり、肌に合わなかったりすると乾燥を招き、かえってトラブルを起こします。「化粧水はなんでもいい」と考えている人は、目的に合ったタイプを選ぶこと。自分の肌に心地よい使用感を選びましょう。
大人肌の乾燥対策の究極のプロセスとは?
化粧水が持つ保湿力を最大限に生かすには、その使い方がカギ。そのポイントをまとめました。
① 洗顔後、すぐに化粧水をつける習慣を
洗顔後は、肌の潤いがどんどん逃げます。タオルで水分をふき取ったら、すぐに化粧水を塗布します。パウダールームなど、すぐに手の届くところに化粧水を用意しましょう。
② 最初にブースターを使い“潤いの通り道”を作りましょう
最初に使用するのは、スキンケアの浸透を高めるブースタータイプ。お風呂上りや洗顔後に、すぐに塗布しましょう。適量を手のひらにのせたら、手のひら同士で包んで人肌程度に温めてから使うと、より浸透力が高まります。肌のザラつきが気になるときは、この段階で拭き取り化粧水を使用するのも効果的です。
③ 肌に合う化粧水を重ねる
保湿化粧水や美白化粧水、エイジング化粧水など、自分の肌目的に合ったタイプの化粧水を用意しましょう。いつも以上に乾燥に気を配りたい冬の季節は、ドライスキン対策の効果が高いセラミドやアミノ酸を多く含むタイプを選ぶとよいでしょう。
④ 化粧水はケチらず、手のひらで押し入れる
化粧水は、手でつけたほうが細かい部分にも届きやすくお勧め。左右の小鼻から輪郭に向かって優しくなじませます。さらに化粧水を足して額、顎にもなじませましょう。また、鼻筋、小鼻、口角や目頭、目尻など、細部にも行き渡らせます。最後に、肌の奥に押し入れる感覚で手のひらを使い、優しくハンドプレスを。量はケチらず、たっぷり使うのが美肌への近道です。
⑤ もっと潤いが欲しいときは即席パック
いつもより乾燥を感じたら、ローションパックがお勧めです。化粧水をなじませた後、再度、コットンにたっぷりの化粧水をなじませます。コットン1枚を2~3枚に割き、気になる乾燥部分、もしくは顔全体を包むようにペタペタと貼りつけましょう。なお、専用シートを使うと細かい部分まで均等になじみます。コットンやシートは、乾いてしまうと逆に水分がどんどん逃げてしまう原因になるので注意。パック時間は5分~10分が目安です。
⑥ 潤いを閉じ込める
最後に美容液やクリームで肌に栄養を与えつつ、油膜のヴェールをかけて蓋をします。せっかく溜めた潤いが逃げないよう、時間を置かずにここまで一連の流れとして行いましょう。
化粧水のケアで大事なことは、肌にきちんと潤いを届けること。そのため、高価だからといって化粧水をケチって使っても、あまり効果的とはいえません。自分にとってコスパのよい化粧水を探し、たっぷりと丁寧に使って、冬の乾燥肌を上手に乗り切りましょう。
(文=小澤佐知子)
小澤佐知子(おざわ さちこ)
美容ライター。小学館や学研で外部編集者を経験した後、出産を機にフリーランスに転身。以後、美容ライターとして計50誌以上で取材・執筆を行う。
現在はヘアケア・ヘアデザインなど「髪」に関する記事の企画・構成・取材を中心に活動。雑誌や書籍以外にWebサイトでコラムやインタビューの連載を持つ。東京都内のヘアサロンの「ビジュアル監修アドバイザー」として非常勤役員も務める。