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【連載「歯科医療の革命~顕微鏡歯科治療」第5回】

歯の神経の治療とは? 「歯内療法」や「根管治療」は痛みや腐敗を除去する重要な治療

歯の神経の治療とは?(depositphotos.com)

 皆さんの中に、歯の神経の治療を受けたことがある方はいらっしゃるでしょうか。

 むし歯が重症化すると、バイ菌が歯の神経に入り込み、夜も眠れないほど痛みが出ます。そうなると「歯の神経」を取らなくてはいけない状況になります。バイ菌によって傷んだ神経を取ることによって、痛みを除去する治療も、歯の神経の治療の一つです。

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 このように歯には、その中に神経が通っています。そして、歯の神経の通っている道を「根管」と言います。また根管の中には、神経や根管の中の組織に栄養を送る血管が通っています。この根管の中にある組織を「歯髄」と言います。

 歯髄は、機械的、化学的、温度的な刺激を痛みとして伝える役割があります。その他、歯髄は、歯髄内壁に防御反応として象牙質を添加したり、むし歯などの細菌感染に対して歯髄炎という炎症を起こしたりします。

 実は、歯の神経は歯髄の中にある組織で、歯痛は歯髄炎により歯の神経が傷んで起こります。歯痛によって歯の神経を取ることは、この歯髄を取ってしまうことです。

歯髄の問題で起こる痛みや腐敗を除去する「歯内療法」

 その、歯髄の治療を歯科用語で「歯内療法」と言います。歯内療法は、歯髄が生きている歯の治療と歯髄が死んでいる歯の治療に分けられます。歯髄が生きている歯の歯内療法は、さらに歯髄を生き残す治療と歯髄を取る治療に分けられます。

 むし歯が重症化すると、むし歯の穴から細菌が歯髄に入り込みます。そうすると、歯髄が炎症を起こし、痛みを発っしたり、場合によっては歯髄が死んで腐敗し始めることもあります。

 歯内療法は、歯髄の問題で起こる痛みや腐敗を取り除き、再度、歯を使えるようにする、非常に重要な治療です。さらに歯内療法は、歯を長期間、快適に使うためにも、基礎となる非常に大切な治療です。歯内療法を疎かにすると、後で再び痛んだり、歯肉が腫れたりすることもあり、せっかく入れた冠せ物や詰め物を壊して再治療をしなければなりません。場合によっては、何度も再治療しても治らず抜歯になることもあるのです。

 歯の神経を抜く治療とは、歯髄を歯から取り除く治療です。歯髄が無くなることにより、歯に栄養は届かなくなり、また痛みなども感じなくなります。

 ただ、歯髄を歯から取り除くことにより、その歯の寿命を短くしてしまう可能性があるので、歯髄の状態が良ければ、むし歯が大きくても歯髄を保存する治療を行います。歯髄を保存する治療を「覆髄」と言います。覆髄の後、経過が良ければ、歯髄を生かしたまま詰め物や被せ物をします。

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