バストに不満がある女性ほど「乳がん」のセルフチェックをしていない(depositphotos.com)
英アングリア・ラスキン大学心理学教授のViren Swami氏らの研究チームは、「バストサイズに不満がある女性」は、自分の乳房にしこりなどの異変がないかどうかを調べる「乳がんセルフチェックを怠りがちだ」という研究成果を『Body Image』誌(1月2日オンライン版)に発表した(「HealthDay News」2018年1月10日)。
研究チームは「バストサイズへの不満度」と「乳がんセルフチェックの頻度」や「受診行動」との関連性を検討するため、18~76歳の英国人女性384人を対象に回帰分析(データの関係性や傾向の予測)を実施した。
[an error occurred while processing this directive]その結果、384人のうちの31%は「自分のバストが大き過ぎる」ことに、44%は「バストが小さ過ぎる」ことに、それぞれ不満を持っていた。そして、不満を持つ女性の33%が「乳がんセルフチェックをほとんどしない」または「全くしない」と回答した。
さらに、乳房の異変を気づけば、55%は「すぐに医師を受診する」と回答。10%は「できるだけ受診を遅らせる」あるいは「受診しない」と回答。バストサイズへの不満は、乳がんセルフチェックの頻度の低下や受診の遅れにつながりやすい事実が判明した。
Swami氏は「バストサイズに不満がある女性は、羞恥心や屈辱感を呼び覚まされ、身体像(ボディイメージ)が脅かされるため、乳がんセルフチェックを回避しやすい」と説明している。さらに「普段から乳房の状態に注意を払いつつ、乳がんの早期発見を提唱する『Breast Awareness』の考えが広がれば、乳房を審美的な側面からでなく、機能的な側面から見る女性が増えるかもしれない」と期待している。