医薬品の購入に大きな変化(shutterstock.com)
セルフメディケーション税制が、2017年1月1日からスタートする。いったいセルフメディケーション税制って何だろう?
バカにつける薬はない。そんな重宝な薬があってもなくても、風邪を引いたらパブロンや龍角散、熱が出たらバファリンやロキソニンに自然と手が伸びる。それが常人の賢いところらしい。
[an error occurred while processing this directive]だが、年がら年中、OTC医薬品の洗礼を受けなければならない何とかシンドロームの人にとって、2017年は少しありがたい年になるかもしれない。一体、OTC医薬品に何が起きているのだろう?
健康増進や病気の予防に努めている人が、薬局やドラッグストアでOTC医薬品を利用した場合、確定申告すれば、その購入額の一部を所得控除できる制度、それがセルフメディケーション税制だ。
OTC医薬品は、医療用から一般向けに転用され、薬局やドラッグストアなどで買える風邪薬、胃腸薬、鼻炎用内服薬、水虫薬、湿布薬などの市販薬だ。医師が処方する薬と同様の効能が期待できるため、自分で健康管理を行い、軽い病気の症状を緩和するのに役立っている。
セルフメディケーション税制で所得控除を受けられる人は、次の通り。
1. 所得があり、確定申告をする必要がある人。従来の医療費控除と同じで、控除する所得がない人は適用外だ。
2. 特定健康診査、予防接種、健康診断、がん検診などの健康増進や病気の予防に努めている人。定期的な健康診断を実施している企業に勤める会社員なら利用できるだろう。
3. 2017年1月1日から2021年12月31日までの5年間に、自己または自己と生計を共にする配偶者やその他の親族のためにOTC医薬品を一定額以上購入した人。自分だけでなく、家族全員の購入額が対象になる。所得の一番高い人が家族分をまとめて確定申告することになる。
では、対象になるのは、どんな医薬品だろう?
厚労省が定める特定成分を含むOTC医薬品に限られる。厚労省のHPによれば、たとえば次のような医薬品だ。
ロキソニンシリーズ(ロキソニンS)、パブロンシリーズ(新パブロンセキ止め液)、バファリンシリーズ(バファリンEX)、アンメルツシリーズ(アンメルツゴールドEX)、アリナミンEXゴールド、サロンパスシリーズ(サロンパスEX)、ユンケルシリーズ(ユンケルB12)など。
ただし、同じ薬品シリーズでも、対象外があるので、注意したい。OTC医薬品かどうかは、パッケージの識別マークやレシートの印字などで確認できる。