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【シリーズ「最新の科学捜査で真犯人を追え!」第14回】

首つり自殺か? 自殺を偽装した絞殺か? 死因の決め手は「吉川線」を見ればわかる

首つり自殺と他殺死(絞死)では死体の特徴が異なる(shutterstock.com)

 2011年4月13日、愛媛県四国中央市のアパートで女性(26)の自殺死体が発見される。意識不明に陥った女性は、病院に搬送されたが、翌日に低酸素脳症で死亡した――。だが、3年後の2014年6月11日、愛媛県警は女性の父を傷害致死の疑いで緊急逮捕。取り調べで、女性は父に首を絞められた後、ロープで首つり自殺に偽装されていたことが判明した。

 この事件のように、自殺死体を司法解剖しなかった場合は自殺死になるが、その後の捜査で父の娘への暴行疑惑が発覚しため再捜査したところ、父の犯行が暴露された。

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 首つり自殺か、自殺偽装の絞殺かは、なぜわかるのか? 首つり自殺(縊死)と絞め殺された他殺死(絞死)では、死体の特徴がまったく異なるからだ。

 首つり自殺(縊死)の場合は、首に自分の体重が一気にかかるため、椎骨動脈が圧迫されて頭部への血流が止まるので、顔面が蒼白になる。足が完全に地面から離れるオーソドックな定型縊死では、死後時間の経過とともに糞尿が出る、首が伸びる。だが、ドアノブなどを使って足を地面に付けたまま首を吊る不定型縊死では、死体の眼球に溢血点や顔面にうっ血が出る。

 溢血点とは、毛細血管の内圧の上昇、低酸素や無酸素状態による毛細血管壁の透過性の亢進、毛細血管壁の痙攣などよって生じる小さな出血痕だ。うっ血とは、静脈や毛細血管内の血流が停滞・増加した状態。局部は冷たく暗紫色になり,静脈や毛細血管は腫れ上がる。

 一方、絞め殺された他殺死(絞死)の場合は、窒息死のため、死体の眼球に溢血点が出る。ただし、窒息状態でも椎骨動脈が圧迫されなければ、血流があるので、顔面は赤黒くうっ血する。

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