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【シリーズ「子どもには絶対に使ってはいけない生活用品」11回】

市販「粉チーズ」の安全性を検証〜輸入チーズは命にかかわる"リステリア菌汚染"の危険も

市販の粉チーズは安全か?(shutterstock.com)

 パスタ料理によく使う粉チーズですが、種類や成分もさまざまです。今回は市販されている代表的な粉チーズを検証してみました。

●森永乳業「クラフト 100%パルメザンチーズ」

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 米国クラフト社と業務提携している森永乳業が販売。チーズ製品のパッケージに「KRAFT」のロゴが入っています。

 「パルメザン」は本場イタリアのチーズ「パルミジャーノ・レッジャーノ」の英訳です。前日搾った生乳を翌日に脂肪分を抜き、そこへ当日の朝絞った生乳を混ぜて作るのが特徴のナチュラルチーズで、「1日1回のみ作ること」というイタリアの決まりがあります。熟成期間も18~36カ月と長期です。

 表皮は茶褐色で厚く「パルミジャーノ・レッジャーノ」の名が刻印されています。しかし「パルメザン」に、この刻印はありません。「パルミジャーノ・レッジャーノ風のチーズ」というのが、粉チーズの「パルメザン」だからです。

 風味は本物にかないませんが、料理用などには十分利用できます。産地は米国。原料は「生乳と食塩」のみです。チーズの種類別はナチュラルチーズになります。また、カルシウムが豊富なことが特徴で、クラフト社のチーズの中では最もカルシウム含有量が多くなっています。

●雪印メグミルク「粉チーズマイルド」

 国産プロセスチーズをすりおろした粉チーズです。プロセスチーズは、複数のナチュラルチーズを細かく砕き、加熱して溶かし、混じり合わせ、成型包装したものです。加熱処理で乳酸菌は死滅しているので、保存性が高いチーズです。

 プロセスチーズでは、それぞれのチーズの成分がよく混ざるように乳化剤が使われます。乳化剤で混じり合わせると、商品の均一化が容易になります。乳化剤には通常、リン酸塩が使われます。乳化剤にリン酸塩が使われるのは乳化作用だけではなく、チーズの風味、色調の向上、老化防止にも効果があるからです。

 しかし、リン酸塩には健康リスクがあることを忘れてはいけません。リン酸塩はラーメンに使う「かんすい」の原材料にもなっていますが、「リン酸塩を過量に投与した場合、もっとも大きな有害作用と考えられるのは、軟組織に石灰が沈着することで、胃、腎、大動脈にとくに現れることである」(郡司篤孝・著「食品添加物読本」)ことが知られています。

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