覚醒剤を吸引したガラスパイプに付着した唾液のDNA型と一致し......shutterstock.com
「被告人を懲役1年6カ月に処す。この裁判が確定した日から、3年間、その刑の執行を猶予する。東京地方検察庁で保管中の覚醒剤を没収する」
2009年11月、酒井法子は、覚醒剤取締法違反の有罪判決を受ける。控訴しなかったため、刑は確定した。
[an error occurred while processing this directive]起訴状によると、酒井は2009年7月30日、鹿児島県奄美大島のホテルで、夫が用意したガラスパイプの中の覚醒剤を火であぶり、煙を吸引。さらに8月3日、東京都内の自宅で、ガラスパイプの中に残った覚醒剤0.008gを保管・所持。覚醒剤への親和性や執着心を追及された。
10月26日の初公判、酒井は起訴状を全面的に認める。4年前に夫に勧められて覚醒剤を初めて使用。2008年の夏頃からは月1回から数回程度、夫と共に使用。常習性や依存性を指摘される。「自分が未熟だった。生活のリズムが崩れ、肉体的・精神的に疲れていた」と動機を漏らしつつ、「夫と離婚して覚醒剤を断ち切りたい。芸能界を引退し、介護の仕事をやりたい」と再起に賭けた。
なぜ酒井のDNA型が判明したのか?
8月3日、酒井の夫が覚醒剤の所持で現行犯逮捕されると、酒井は任意同行を拒否。尿から覚醒剤の使用が発覚するのを恐れて逃走。8月7日、夫が酒井の覚醒剤の使用を供述。警察は酒井の自宅を家宅捜索。微量の覚醒剤と酒井の唾液が付着したと思われるガラスパイプを発見。逮捕状が出る。8月8日、酒井は警察に出頭し、逮捕された。
警察は逃走中だった酒井のDNA型をどのように調べたのか?
酒井の自宅にある着衣、コップ、歯ブラシ、ヘアブラシからDNAは採取できるが、それだけでは酒井のDNA型と一致したとは断言できない。自宅から採取したDNAは、必ずしも酒井のDNAとは限らないため、決定的な証拠としては不十分だ。警察は、ガラスパイプに付着した唾液のDNA型が酒井のDNA型と一致する確証を、どのようにしてたぐり寄せたのだろう?
酒井が逮捕される3週間前に、彼女の腹違いの弟(山口組系暴力団組員)が覚醒剤取締法違反で逮捕された。酒井の所在がわからないにも関わらず、警察がガラスパイプに付着した唾液のDNA型と酒井のDNA型が一致する事実を掴めたのは、弟のDNA型を鑑定したからだ。
異母姉弟のDNAは、どれだけ一致するのか?