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「野菜ソムリエ博士ちゃん」湊くんがオススメする、この春に食べてほしい野菜!

“野菜博士ちゃん”の緒方湊くんオススメの野菜とは?(GettyImagesより)

 テレビ朝日系の人気番組『サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん』にたびたび登場する“野菜博士ちゃん”の緒方湊くん。番組では1人でロケの進行をすることから、ついたあだ名は“みなとプロ”。

 食べることが大好きで、小さな頃から野菜や果物の収穫体験に参加していた湊くんは、6歳で近所に畑を借り、自分で野菜づくりをスタート。8歳で「野菜ソムリエ」、10歳で 「野菜ソムリエプロ」に合格、史上最年少で野菜ソムリエプロの資格を取得した。

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 そのあふれる“野菜愛” が注目され、2019年4月には茨城県より「いばらき大使」に任命。現在は自宅の庭に菜園をつくり、日本各地の伝統野菜も栽培している。

 そんな野菜のエキスパートの湊くんに、この春、ぜひ食べてほしい野菜とその魅力を訊いた。

野菜のことを、ちょっと知っているだけで、スーパーでの買い物や食事などが楽しくなります。旬の野菜や果物だと、よりおいしく食べられて、ホント、幸せな気分になります! 

 と冒頭から力説する、みなとプロ。

なにも、特殊な野菜や高価な野菜でなくていいんです。今だと、新タマネギ、ニラがオススメです。

新タマネギが、ホントにみずみずしくておいしい! ボクがいちばん好きなのは「タマネギ丼」です。ご飯の上に薄く切った新タマネギをのせて、そこにカツオ節と卵黄を加え、お醤油をかけたら、もう最高です! 農家の方が、よく食べてらっしゃったのを見かけました。 

 湊くん曰く、「タマネギは、空気にさらして辛味を飛ばす」のがポイント。揮発性の辛味成分を飛ばせば、辛味が苦手な人でもマイルドにいただける。

 新タマネギの栄養価は、普通のタマネギと同じ、ビタミンB1、B2、C、カルシウム、鉄などだが、いちばんの特徴は、ツンとした香りの正体である「硫化アリル」。硫化アリルは、消化液の分泌を助けて食欲を増進する作用をはじめ、新陳代謝・神経の沈静化に必要なビタミンB1の吸収と活性化を促す作用があるとされている。

 以前、“タマネギ食べて血液サラサラ”が注目されたのもの、これらの動脈硬化を予防する作用があることが報告されたことからだ。ビタミンB1の吸収率を助ける働きもあるので、新陳代謝や疲労回復にも効果が期待できる、ヘルシーフードといえる。

 ただし、硫化アリルは水溶性なので水にさらすと、その成分が流れ出てしまう。だから、空気にさらすのだ。また、熱にも弱いので、加熱して食べることが多い普通のタマネギだと、あまり摂取できない。しかし、生で食べやすい新タマネギなら、効率よく摂取できる。

 普通のタマネギと違い、旬の新タマネギは収穫してからすぐに出荷されるので、皮が薄くて柔らかく、みずみずしくて辛味が少ない。ただ、水分が多いことから傷みやすく、保存性がよくないため、なるべく早く食べ切ろう。

新タマネギのみずみずしさとうまみが堪能できる「タマネギ丼」。旬の野菜を楽しめる、超簡単レシピ

ニラは“一番ニラ”が狙い目

 今やスーパーで1年中買うことのできるニラだが、この時期、最初に出てくるニラの味は格別。「特に出始めの“一番ニラ”を食べてもらいたい」と湊くんは強調する。

ニラは同じ株から、切ってはのびて、切ってはのびてを繰り返し、何度も収穫するんです。最初出てくるのを“一番ニラ”と呼ぶんですけど、甘~くて。3~4月頃に店頭に並びます。

ボクがいちばん好きな食べ方は、ニラに卵黄の醤油漬けをのせたもの。サイコーです! 

 ニラは、茹でて水分を軽く絞り一口大に切る。卵黄は30分ほど醤油につける。すりゴマをかけてもいい。温かいご飯の上にのせたら、簡単にできるご馳走レシピだ。

湊くんオススメの「ニラの醤油づけ卵黄のせ」。「お酒を飲めないボクでも、お酒のツマミにサイコーだと思います(笑)」

 ニラは、葉肉が厚く深い緑色で、葉先までピンと張りがあるものを選び、買ったその日に食べたい。収穫後も、横に寝せておくと上に葉が起き上がって曲がってしまうため、縦長の箱に立てて出荷する。曲がるエネルギーは、糖分を消費してしまうので、自宅でも縦に保存した方がいい。

 スタミナ野菜の代表格「ニラ」は、ベータカロテンやビタミンCをはじめ、カリウムや葉酸、食物繊維など、さまざまな栄養素をバランスよく含む。中でも注目したいのは、ニラ特有の辛味成分「アリシン」。

 アリシンには強い殺菌効果や抗酸化作用があり、免疫力を高めて風邪を防ぐ効果があるといわれている。ニラで免疫力アップして、コロナ禍も乗り越えたいものだ。

今年はジャガイモの当たり年

 そして、「今年は、ぜひジャガイモを愉しんでほしい」という湊くん。

今年はジャガイモの当たり年なんです。おいしいジャガイモがたくさん収穫できた年(表)の次(裏)があって、今年はジャガイモがあたりです。このことを知っている人は、この春、ジャガイモを買い占めるはずです(笑)。“箱買い”ですね。 

ジャガイモは、フライドポテトで食べるのもおいしいんですが、「ハッセルバックポテト」を試してみてください。ジャガイモに切れ目を入れて、その間にベーコンやチーズなど、いろいろな具材をはさんで焼きます。 

 その見た目から“アコーディオンポテト”とも呼ばれるスウェーデンの国民食「ハッセルバックポテト」

ハッセルバックポテトは、スウェーデンの国民食。レンジやトースター、魚焼きグリルで焼く。表面はカリッとこんがり、中はホクホクだ。

 いずれも簡単にできて、野菜本来の味が愉しめるレシピばかり。湊くんの野菜に関する豊富な知識からは、雑学的なものではなく、実際に食べる方法まで伝える“大使”としてのポリシーを感じる。

残念なことに、コロナ禍の今、おいしい野菜がたくさん収穫されても、消費されずに捨てられている現実があります。

ぜひ、スーパーやお店に行って、旬の野菜を愉しんでください。

毎日、食べたり、料理に使っているのに、意外と知らない野菜のこと。これからも野菜の魅力やおいしさを伝えていきたいです。 
(文=編集部)

緒方湊(おがた みなと)
10歳で史上最年少で「野菜ソムリエプロ」の資格を取得。2019年4月、茨城県の「いばらき大使」に任命される。人気番組「サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん」では1人でロケを進行する実力から、ついたあだ名は“みなとプロ”。「野菜の魅力やすばらしさを多くの人に伝えたい」という野菜愛にあふれる“博士ちゃん”。テレビなどへのメディア出演、農業関連のイベントやセミナー講演などで活躍中。 「みなとの野菜大辞典」

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