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【連載「恐ろしい危険ドラッグ中毒」第49回】

姿や形を変えて「覚醒剤」や「大麻」が社会に広く深く蔓延している! 

マリファナの主成分を煮詰めた大麻リキッドも蔓延(depositphotos.com)

 飲料物に覚醒剤を混入して事件を誘発させる、極めて悪質なケースが多発している――。

 我が国では、いわゆる「紀州のドンファン」として名を馳せていた高齢男性が、何らかの飲み物に混入された大量の覚醒剤で急性中毒死した事件が世間を騒がせている。被害者には覚醒剤の使用時に認められる注射痕がなかったため、飲料物に含有された覚醒剤が中毒起因物質として浮上。事件の真相は、未解明のままだ。

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 同じく最近、メキシコで、覚醒剤が混入された清涼飲料7up(セブンアップ)を飲んだ8人のうち1人が死亡するという事件が発生した。後日、セブンアップの成分分析を行ったところ、強力な中枢神経興奮作用を有する覚醒剤「メタンフェタミン」が検出。メタンフェタミンは、口腔内や食道を刺激して嘔吐を誘発。さらに、頻脈や呼吸苦などを訴え、呼吸循環不全を呈して、重症例では死に至ることもある。覚醒剤の混入経路は謎に包まれたままで、旅行者や周辺住人に多大な恐怖を与えている。

 飲み物に混入された覚醒剤などの有毒物質による被害を未然に防ぐことは、極めて困難だ。飲む前にパッケージが完全密閉されているかを確認したり、変なニオイや味がしたら飲むのをやめて、直ちに廃棄すべきであろう。 

大麻リキッドが蔓延

 大麻リキッドとは、マリファナの主成分であるTHC(テトラヒドロカンナビノイド)を煮詰めて抽出した茶色い液体である。我が国で自生するする大麻のTHCの濃度は1%程度だが、大麻リキッドの中には実に70%を超す製品も存在する。

 吸引には電子タバコが用いられ、大麻草のようなニオイもほとんどないため、その使用が周囲に発覚される可能性が低い。また、その作用は、乾燥大麻と同様、脳神経細胞を刺激して、多幸感、高揚感を得ることができる。頻回に利用すると、覚醒剤と同様、深刻な依存症に陥るケースも認められる。

 大麻リキッドは、米国ではカリフォルニア州をはじめ合法化されている州が多い。違法薬物ではないため、現地では容易に入手可能だ。しかし我が国では、大麻取締法などにより、国内への持ち込みが禁止されている。近年、ある有名なヒップホップミュージシャンが、大量の乾燥大麻とともに大麻リキッドも不法所持していたとの罪で逮捕されている。

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