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『セサミストリート』に「自閉症の少女」が登場~発達障害への理解は進むか?

『セサミストリート』に新たに登場した自閉症のジュリア(画像は公式YouTubeより


 最近マスコミで取り上げられる機会が増えた「発達障害」。書店でも発達障害に関する本が、目立つ場所に並べられている。

 発達障害が注目を集める一方で、言葉だけが独り歩きをしていないだろうか? 学校や職場で、自分たちとどこか様子が違う人を「あれは発達障害だね」と決めつけたり、「発達障害だから他人にまったく興味がないんだ」と勝手に解釈したりしてはいないだろうか?

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 アメリカでは、発達障害を理解しようという取り組みが医療機関やメディアで進んでいる。今回はその一部を紹介しよう。

米国では「自閉スペクトラム症(自閉症スペクトラム障害)」が10年で約2倍に

 発達障害者支援法では、発達障害を次のように定義している。

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第二条 この法律において「発達障害」とは、自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるものをいう。
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 最近では「自閉スペクトラム症(自閉症スペクトラム障害)」という言葉を目にすることもあるだろう。「スペクトラム」とは連続体という意味である。

 自閉症やアスペルガー症候群などについては、たとえば「幼い頃にアスペルガー症候群と診断されたが学童期で自閉症と診断された」というように、年齢や環境の変化で診断が変わることがある。

 そのため、それぞれの障害に明確な境界線を設けないということで自閉スペクトラム症という診断名ができたようだ。

 米国疾病管理予防センター(CDC)によれば、アメリカには「68人に1人」の割合で自閉スペクトラム症の子どもがいると2012年の調査でわかっている。2002年では「150人に1人」の割合だったので、10年で割合が約2倍も増えている。

人気番組『セサミストリート』に「自閉症の女の子」が登場

 そのような状況で、今年(2017年)の4月、子どもたちに大人気のテレビ番組『セサミストリート』に新しいキャラクターが登場した。4歳のジュリアという自閉症の女の子だ。

 優しくて、好奇心が強く、みんなと一緒に歌を歌うこともできるが、言葉に遅れがあり、手をひらひらさせるなど、自閉症に特有の行動も見られる。

 『セサミストリート』の製作スタッフは、「このキャラクターの導入により、子どもたちの差異も知ってほしいが、それ以上に共通点に目を向けていきたい」と述べている。

 また、就学前の子どもたちに、自閉症の子どもたちが抱えている困難さに気づいてもらうことも狙いなのだそうだ。

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