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女性マネキンの体型は拒食症!? フランスでは「痩せすぎモデル」を規制へ

女性用マネキンは痩せすぎ?(depositphotos.com)

 ブティックや百貨店の店頭で、流行のファッションを颯爽と身にまとうマネキンたち。しかし気に入って同じ服を試着してみると「なんかイメージと違う…」という経験はよくあることだろう。

 女性用マネキンの多くがかなりスレンダーであることが違和感の理由なのだが、多くの女性はその体型が理想だと考えているのも事実だ。女性誌や、ダイエットのノウハウを紹介するウェブサイトに「目指せ! マネキン体型」といったキャッチフレーズが踊ることも珍しくない。

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 しかしそうした思い込みに警鐘を鳴らす研究結果が、今月初めに英国から発信されている。街に並ぶマネキンは医学的に明らかに痩せすぎであり、その発するメッセージが摂食障害の引き金の一つなのかもしれないというのだ。

女性用マネキンだけが極端な「痩せすぎ」

 今回の調査では、英国で全国展開するファッション販売小売店に置かれている、男性用と女性用マネキンの身体サイズを測定した。

 研究メンバーはまず「Contour Drawing Rating Scale」という、「痩せすぎ」から「太りすぎ」まで段階的に見た目の輪郭図が描かれたスケールを使って、店頭に飾られているマネキンの平均サイズを評価した。

 さらに、その体型をBMI値(ボディマス指数・ヒトの肥満度を表す体格指数)で10段階に分けられた、男女の写真からなる体サイズ認識ツールにあてはめて、平均的なマネキンのBMI値を導き出した。

 体型を正確に割り出すため、コートなどのルーズな服ではなく、タイトフィットなTシャツとショーツなどを着用し、さらに店頭の目立つ場所に置かれているマネキンを対象にしたという。

 その結果、女性用マネキンの平均サイズは「人間であれば極めて低体重」に相当し、全てのマネキンが低体重であることが判明。

 一方、男性用マネキンに関しては、低体重のものは8%に過ぎなかった。逆に、非現実的なほど筋肉質なものも見られた。

 研究グループは「女性用ファッションを宣伝するために使われているマネキンの身体サイズは現実的ではなく、人間なら医学的に不健康とみなされるもの」「痩せすぎのために月経がなくなるレベル」と述べる。

 さらに「マネキンの体型を現実的なものに変えていくことは、拒食症や過食症といった摂食障害の問題を解決するわけではない。しかし前向きな新しい一歩になる可能性がある」と推察している。

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