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【春だ、歩こう! アンチエイジングを高めるウオーキングの効用【後編】】

スティーブ・ジョブズも行っていた「ウオーキング会議」~健康増進だけではない意外な効果!

散歩ミーティングはジョブズ氏も行っていたAnnette Shaff / Shutterstock.com

 暦の上では、もう春。暖かな陽射し誘われて、街歩きが楽しい季節だ。そんな楽しみとしての「散歩」ではなく、それを仕事にも活用しようというのが、アメリカのビジネスマンのトレンドになりつつあるという。

 「DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー」(2015年11月20日)に「ウオーキング会議が創造性も集中力も上げる」という記事を見つけた。「ウオーキング会議って何だろう?」と惹かれるままに記事を読んでみたら、何ともスマート&シンプルなコンテンツだったので、紹介しよう。

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ジョブズやザッカーバーグも歩きながらの青空会議

 ウオーキング会議は、文字通り、会議の場であるオフィス、役員室、カフェを飛び出して、オフィス街、遊歩道、公園などを歩きながら進める青空会議だ。

 1対1の散歩ミーティングは、アップル創業者の故スティーブ・ジョブズ氏、交流サイト・フェイスブック創業者のマーク・ザッカーバーグ氏、ツイッター創業者のジャック・ドーシー氏など、シリコンバレーやニューヨークなどで大成功したエキスパートたちのフランクなビジネス習慣として定着し、ビジネス・ピーピルたちの支持を集めている。

 アップルなどの経営幹部も務めたニロファー・マーチャント氏は、長時間、デスクワークに追われていたが、会議の場をカフェからアウトドアに変えると、創造性や一体感が高まることを実感した。IT・デザイン・エンターテイメントの専門家が集うTEDカンファレンスで散歩ミーティングを提案したところ絶賛され、サポーターの裾野が広がった。

 「運動する時間がなかったので始めた。週1回、ジョギングかジム通いをしているが、週4回は計20~30マイル(約30~50キロ)の散歩ミーティングをしている。ビジネス・パートナーと横に並んで歩くと、一緒に取り組んでいるという連帯感が強まる。目の前にある問題やアイデアに向かって歩調を合わせて進んでいるような共有感覚に包まれる。重要な点はメモを取ればいい。携帯電話は、邪魔なだけ」と力説する。

 カリフォルニア州で活躍する経営コンサルタントのスティーブ・トバック氏は、上司と1対1の息苦しいミーティングを味わっていたが、ある日、上司と散歩ミーティングに出でみた。青空の下で体を動かすと気分が爽快になり、上司との個人的な絆も信頼関係も深まることを知った。

 コンサルティング会社・コンテクスト創業者のフラン・メルメド氏は、さまざまな業種のクライアントをアシストしている。ウオーキング会議を始めてからは、ストレスから解放される感覚に癒されることに気づいた。

 ウオーキング会議に共感しているのは、起業家たちだけではない。職場で30分ごとに1回立ち上がり、1~2分間歩き回れば生産性が向上する方法を実践し、資料を読みながら歩くことを実践しているのが、ジョンソン・エンド・ジョンソン系列のコンサルティング会社ウェルネス・アンド・プリベンションを率いるジャック・グロッペル氏だ。

 身体を動かし始めた直後の1~2分間は、心拍数が増加し、より多くの酸素が脳に運ばれるため、90日間試した社員は、よりエネルギッシュになり、集中力が増し、仕事への意欲も向上した。会議中でも立ち上ってストレッチをすれば、社員の思考力がアップすることが確認された。

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