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休日の「寝溜め」は危険! 糖尿病や心疾患のリスクを高めることに

寝溜めしても疲れが残ってしまうばかりか……(shutterstock.com)

 働き盛りの30〜40代の過重労働が深刻化している。ひと月で100時間超、または2〜6カ月の平均で月80時間以上の時間外労働は、健康障害のリスクが高くなる。多くの会社、部署で、うつ病などを発症して長期に休んでいる人がいるのではないだろうか。この過重労働も原因のひとつかもしれない。

 残業手当がつくならまだしも、職種によっては一定の時間を超えた分をカウントしなかったり、いわゆる「サービス残業」を強要したりするブラック企業もあるから、労働者側は自分で自分の健康を守るよう心がけたい。

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 健康を維持するための手段としては消極的ではあるが、多くの労働者は休みの日に「寝溜め」をして体を休めているのではないだろうか。ところが、ある研究によりこの寝過ぎが糖尿病や心疾患のリスクを高めるという結論が出た。

海外旅行に行かなくても時差ぼけ?

 休みの日に「寝溜め」をする人は、いつもよりも2〜3時間長く寝ていることが多いのではないだろうか。いつもは7時に起きるのに、休みの日は12時過ぎまで寝ている、なんて人もいるだろう。すると、就寝する時間もいつもより遅くなりがち。起床や就寝をする時間がいつもと違うと、体は海外旅行の際に感じる「時差」として受け止めてしまう。これを社会的時差ぼけという。

 11月18日に「Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism」オンライン版に掲載された研究結果によると、これの社会的時差ぼけがいけないのだという。研究には、自宅外で週25時間以上働く30〜54歳の健康な男女(447人)が参加。睡眠時間と活動時間を記録するリストバンドを終日着用してもらったほか、運動や食生活に関する質問票にも回答してもらった。

 その結果、対象者のほとんど(約85%)は、平日より休日に睡眠時間が延長していた。残りの15%の対象は、逆に休日に早起きしていることがわかった。また、平日と休日で睡眠時間の差が大きい人では、コレステロール値や空腹時のインスリン値が悪い。さらにインスリン抵抗性が高く、ウエスト周囲長が大きく、BMIが高い傾向がみられた。この「社会的時差ぼけ」と糖代謝パラメータ悪化の関連は、身体活動度やカロリー摂取量などの生活習慣因子を補正後も認められた。

平日と休みの睡眠時間が極端に違わなくても要注意

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