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【連載「更年期をのりこえよう!」第7回】

心理面から体調不良に。心身症になりやすい「失感情症」タイプとは!?

まじめなヒトほど心身症に?shutterstock.com

 これまで、「空の巣症候群」「濡れ落ち葉」「介護の負担」など、更年期によくみられる症例を提示して、その解決策を具体的に考えてきた。今回からは、発症の「原因」を見極めるのが難しく、それゆえに誤った診断を下されることも多い代表的な症例をご紹介しよう。

「心身症」のケース

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 女性初の管理職になり1年が経過した。リストラで部下が減り、やめた部下の仕事まで自分で抱え込んでしまい、多忙になったが、責任ある立場についたのだから当然と思い、自分では特に苦痛とは感じていない。
最近、胃がシクシク痛む。消化器内科で胃カメラを受けたが、軽い胃炎で心配ないと言われた。頭痛とめまいもするので、脳神経科で脳のCTを撮ったが問題はなかった。耳鼻科も受診したが特に異常はないと言われた。これ以上、ドクターショッピングをしても医療費がかさむばかりだ。これも更年期のせいなのだろうか?

 胃痛→消化器内科
 頭痛、めまい→脳神経科、耳鼻科

 症状ごとに思い当たる診療科を受診しても、「大した問題はない」と言われてしまった場合は、どうしたらよいのだろうか?

 何らかの「身体的な不具合」の発生や経過に、「心理的な因子」が密接に関与している疾患がある。「病は気から」とはよく言われるが、身体疾患のなかで、その発症や経過に心理社会的な因子が密接に関与している病態を総称して「心身症」と定義している。

 以下に、心身症の要素を強く持つ身体疾患の代表的なものを列挙しよう。

 消化器系では胃潰瘍、神経性胃炎、過敏性腸症候群、呼吸器系では気管支喘息、過呼吸性症候群、心臓血管系では不整脈、狭心症、高血圧、脳神経系では偏頭痛、緊張性頭痛、婦人科では月経不順、機能性子宮出血、泌尿器科では夜尿症、過敏性膀胱、皮膚科では蕁麻疹、円形脱毛症などである。

まじめで人当たりがいい「優等生タイプ」も要注意

 心身症は、持続的な緊張やストレスにさらされることで、身体機能や免疫機能などが影響を受けて発症すると考えられている。心身症になりやすい人の性格傾向に、「失感情症(alexithymia)」と呼ばれるタイプがある。このタイプは感情表現が上手くできず、自分のストレスや不満を認識しにくいという特徴をもつ。そのような人の内面に溜め込まれていたストレスが、ある時を境に身体の不調となって現われるのである。

 心身症になりやすい人は、体調を無視して過労に陥りやすいなど、自分の身体の変化にも気づきにくいとして、「失体感症(alexisomia)」という概念を提唱する専門家もいる。診断が遅れたり、誤った診断を下されやすいのは、本人に病識が乏しいことも一因となっている。

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